ブラジル産さん大ヘビの逃とう亡ぼう事じ件けんのおかげで、ハリーはいままでで一番長いお仕し置おきを受けた。やっとお許しが出て、物もの置おきから出してもらった時には、もう夏休みが始まっていた。ダドリーは、買ってもらったばかりのミリカメラをとっくに壊こわし、ラジコン飛行機も墜つい落らくさせ、おまけに、レース用自転車に初めて乗ったその日に、プリベット通りを松まつ葉ば杖づえで横切っていたフィッグばあさんにぶつかって、転てん倒とうさせてしまうという事じ件けんも終わっていた。
休みが始まっていたのはうれしかったが、ハリーは毎日のように遊びにやってくるダドリーの悪あく友ゆうから逃のがれることはできなかった。ピアーズ、デニス、マルコム、ゴードン、みんな揃そろいもそろってデカくてウスノロばかりだったが、中でもとびきりデカで、ウスノロなのがダドリーだったので、軍ぐん団だんのリーダーはダドリーだった。あとの四人はダドリーのお気に入りのスポーツ「ハリー狩がり」に参加できるだけで大だい満まん足ぞくだった。
そういうわけで、ハリーは、なるべく家の外でぶらぶらして過ごすことにした。夏休みさえ終われば、とハリーは思った。それだけがわずかな希望の光だった。九月になれば七年制せいの中等学校に入る。そうすれば生まれて初めてダドリーから離はなれられる。ダドリーはバーノンおじさんの母ぼ校こう、「名めい門もん」私し立りつスメルティングズ男だん子し校こうに行くことになっていた。ピアーズ・ポルキスもそこに入学する。ハリーは地じ元もとの普通の公こう立りつストーンウォール校へ行くことになっていた。ダドリーにはこれが愉ゆ快かいでたまらない。