「ストーンウォールじゃ、最初の登とう校こう日びに新入生の頭をトイレに突つっ込こむらしいぜ。二階に行って練習しようか」
「遠えん慮りょしとくよ。トイレだって君の頭みたいに気き味みの悪いものを流したことはないよ。突っ込まれた方こそいい迷めい惑わくだ……トイレの方が吐はき気けがするだろうさ」
そう言うが早いか、ハリーは素早すばやく駆かけ出した。ダドリーはハリーの言ったことの意味をまだ考えていた。
七月に入り、ペチュニアおばさんはダドリーを連れてロンドンまでスメルティングズ校の制せい服ふくを買いに出かけた。ハリーはフィッグばあさんに預あずけられはしたが、いつもよりましだった。飼かい猫の一匹につまずいて脚あしを骨こっ折せつしてからというもの、フィッグばあさんは前ほど猫好きではなくなったらしい。ハリーはテレビを見ることを許されたばかりか、チョコレート・ケーキを一ひと切きれもらった。何年もしまい込んであったような味がした。
その夜、ダドリーはピカピカの制服を着て居い間まを行こう進しんしてみせた。スメルティングズ男だん子し校こうでは、みんな茶色のモーニングにオレンジ色のニッカーボッカーをはき、平ひらったい麦わらのカンカン帽ぼうをかぶる。てっぺんにこぶ状の握にぎりのある杖つえを持つことになっていて、これはもっぱら先生が見ていないすきを狙ねらって、生徒が互たがいに殴なぐり合うために使われる。卒そつ業ぎょう後ごの人じん生せいに役立つ訓くん練れんら
しい。