真新まあたらしいニッカーボッカー姿のダドリーを見て、バーノンおじさんは、人生で最も誇ほこらしい瞬間しゅんかんだと声を詰つまらせた。ペチュニアおばさんは、こんなに大きくなって、こんなにハンサムな子が、私のちっちゃなダドリー坊やだなんて、信じられないとうれし泣きした。ハリーはとても何か言うどころではなく、笑いを堪こらえるのに必ひっ死しで、あばら骨が二本折おれたかと思うほど苦しかった。
翌よく朝あさ、朝食を食べにハリーがキッチンに入ると、ひどい悪臭あくしゅうが漂ただよっていた。洗あらい場ばに置かれた大きなたらいから臭におってくる。近づいてのぞくと、灰色の液えき体たいに汚きたならしいボロ布がプカプカ浮いていた。
「これ、なに」
してはいけないのにハリーは質問した。そういう時、ペチュニアおばさんは必ず唇くちびるをギュッと結ぶ。
「おまえの新しい制せい服ふくだよ」
「そう。こんなにビショビショじゃないといけないなんて知らなかったな」
ハリーはあらためてたらいに目をやりながら言った。
「お黙だまり ダドリーのお古ふるをわざわざおまえのために灰色に染そめてあげてるんだ。仕し上あがればちゃーんとした制服になるよ」