ハリーは手紙を拾ひろい上げてまじまじと見つめた。心しん臓ぞうは巨大なゴムひものようにビュンビュンと高たか鳴なった。これまでの人じん生せいで、ただの一度もハリーに手紙をくれた人はいない。くれるはずの人もいない。友達も親しん戚せきもいない……。図書館に登とう録ろくもしていないので、「すぐ返へん本ぽんせよ」などという無ぶ礼れいな手紙でさえもらったことはない。それなのに手紙が来た。正しょう真しん正しょう銘めいハリー宛だ。
サレー州しゅう リトル・ウインジング
プリベット通り番地 階段下の物もの置おき内
ハリー・ポッター様
何やら分ぶ厚あつい、重い、黄色みがかった羊よう皮ひ紙しの封ふう筒とうに入っている。宛あて名なはエメラルド色のインクで書かれている。切手は貼はってない。
震ふるえる手で封筒を裏うら返がえしてみると、紋章もんしょう入りの紫色むらさきいろの蝋ろうで封ふう印いんがしてあった。真ん中に大きく〝〟と書かれ、その周まわりをライオン、鷲わし、穴あな熊ぐま、ヘビが取り囲んでいる。
哈利把信捡起来,目不转睛地盯着看,心里像有一根很粗的橡皮筋嘣的一声弹了起来,嗡嗡直响。活到现在,从来没有人给他写过信。这封信可能是谁写的呢?他没有朋友,没有另外的亲戚,他没有借书证,因此不会收到图书馆催还图书的通知单。可现在确实有一封信,地址清清楚楚,不会有错:萨里郡小惠金区女贞路4号楼梯下的碗柜哈利波特先生收信封是用厚重的羊皮纸做的,地址是甩翡翠绿的墨水写的。没有贴邮票。哈利用颤抖的手把信封翻转过来,只见上边有一块蜡封、一个盾牌纹章,大写“H” 字母的周围圈着一头狮子、一只鹰、一只獾和一条蛇。