「癇癪かんしゃくを起こすんじゃなかった」
ハグリッドは悔くやんでいた。
「じゃが、いずれにしてもうまくいかんかった。豚ぶたにしてやろうと思ったんだが、もともとあんまりにも豚にそっくりなんで、変えるところがなかった」
ボサボサ眉まゆ毛げの下からハリーを横目で見ながら、ハグリッドが言った。
「ホグワーツではいまのことを誰にも言わんでくれるとありがたい。俺おれは……その……厳げん密みつに言えば、魔法を使っちゃならんことになっとるんで。おまえさんを追いかけて、手紙を渡わたしたりいろいろするのに、少しは使ってもいいとお許しが出た……この役目をすすんで引き受けたのも、一つにはそれがあったからだが……」
「どうして魔法を使っちゃいけないの」とハリーが聞いた。
「ふむ、まあ――俺もホグワーツ出身しゅっしんで、ただ、俺は……その……実は退たい学がく処しょ分ぶんになったんだ。三年生の時にな、杖つえを真っ二つに折おられた。だが、ダンブルドアが、俺を森の番人としてホグワーツにいられるようにしてくださった。偉い大だいなお方かたじゃ。ダンブルドアは」
「どうして退学になったの」
「もう夜も遅おそい。明日あしたは忙しいぞ」ハグリッドは大きな声で言った。
「町へ行って、教科書やら何やら買わんとな」
ハグリッドは分ぶ厚あついコートを脱ぬいで、ハリーに放ほうってよこした。
「それを掛かけて寝るといい。ちいとばかりモゴモゴ動いても気にするなよ。どっかのポケットにヤマネが二、三匹入っているはずだ」
“我不该发火,”他懊恼地说,“不过,还是没有成功。我本来想把他变成一只猪,只是也许他已经太像猪了,所以用不着再去变什么了。”
他从浓密的眉毛下斜瞟了哈利一眼。
“要是你对霍格沃茨的任何人都不提起这件事,我就谢谢你了。”他说,“我—— 哦—— 严格地讲,我不能施用法术。只有在找你或给你送信的时候才准许我用一点儿—— 这也是我热心接下这个工作的原因之一。”
“为什么不准许您施用魔法呢?”哈利问。
“哦,是这样,我自己也在霍格沃茨上过学,但是,实话对你说,我—— 哦—— 被开除了。我当时三年级。他们撅断了我的魔杖,其他东西都没收了。可邓布利多让我留下看管狩猎场。他可真是个了不起的人啊。”
“你为什么被开除?”
“时间太晚了,明天我们还有许多事情要做,”海格大声说,“明天一早还要进城给你买书什么的。”
他脱下黑色的厚呢外衣,扔给哈利。
“你就盖着这个睡吧。”他说,“要是有什么东西乱动,没关系,我想,有个衣袋里好像还装着两只睡鼠。”