「泣くなよ、ジニー。ふくろう便びんをドッサリ送ってあげるよ」
「ホグワーツのトイレの便べん座ざを送ってやるよ」
「ジョージったら」
「冗談じょうだんだよ、ママ」
汽車が滑すべり出した。母親が子供たちに手を振っているのをハリーは見ていた。妹は半べその泣き笑い顔で、汽車を追いかけて走ってきたが、追いつけない速度になった時、立ち止まって手を振るのが見えた。
汽車がカーブを曲がって、女の子と母親の姿が見えなくなるまでハリーは見ていた。家々が窓の外を飛ぶように過ぎていった。ハリーの心は躍おどった。何が待ち構かまえているかはわからない……でも、置いてきたこれまでの暮らしよりは絶ぜっ対たいましに違いない。
コンパートメントの戸が開いて、一番年下の赤あか毛げの男の子が入ってきた。
「ここ空あいてる」
ハリーの向かい側がわの席を指さして尋たずねた。
“别哭.金妮,我们会派好多好多猫头鹰去找你。”
“好了,我们会送给你一个霍格沃茨的马桶圈。”
“乔治!”
“开个玩笑嘛,妈妈。”
火车启动了。哈利看到孩子们的母亲在招手,他们的小妹妹又哭又笑,跟着火车朝前跑,直到火车加速,她被抛在后面,还在不停地向他们招手。
哈利一直注视着母女俩,直到火车拐过弯去,看不见她们了。一栋栋房屋从车窗前闪过。哈利感到兴奋极了。他不知道前面会怎么样,但至少要比抛在后面的过去好。
隔间的推拉门开了,最小的那个火红头发的孩子走了进来。
“这里有人吗?”他指着哈利对面的座位问。