「やーい、ウスノロ」
ロンが反はん対たい側がわから叫さけんで、金きん属ぞくパイプを投げつけた。トロールはパイプが肩にあたっても何も感じないようだったが、それでも叫び声は聞こえたらしく、また立ち止まった。醜みにくい鼻はな面づらを今度はロンの方に向けたので、ハリーはその後ろに回り込む余よ裕ゆうができた。
「早く、走れ、走るんだ」
ハリーはハーマイオニーに向かって叫びながらドアの方に引っぱろうとしたが、ハーマイオニーは動けなかった。恐怖きょうふで口を開けたまま、壁にピッタリと貼はりついてしまったようだ。
叫び声とそのこだまがトロールを逆上ぎゃくじょうさせてしまったようだ。再び唸うなり声をあげて、一番近くにいたもはや逃げ場のないロンの方に向かってきた。
その時ハリーは、勇ゆう敢かんとも、間ま抜ぬけとも言えるような行動に出た。走っていって後ろからトロールに飛びつき、腕うでをトロールの首ねっこに巻まきつけた。トロールにとってハリーが首にぶら下がってることなど感じもしないが、さすがに長い棒ぼう切きれが鼻に突つき刺さされば気にはなる。ハリーが飛びついた時、杖つえは持ったままだった――杖はトロールの鼻の穴を突き上げた。
“嘿,大笨蛋!”罗恩从房间另一边喊道,同时把一根金属管朝巨怪扔去。巨怪似乎根本没有注意到金属管打中了它的肩膀,但它听见了喊声,便又停住脚步,把丑陋的大鼻子转向了罗恩,哈利趁此机会绕到它的身后。
“过来,快跑,快跑!”哈利朝赫敏喊道,想把她拉向门口,但是她动弹不得,仍然紧紧地贴在墙上,嘴巴惊恐地张得老大。
喊声和回音似乎把巨怪逼得发狂了。它又咆哮了一声,开始向罗恩逼近。
罗恩离巨怪最近,而且没有退路。
这时,哈利做了一件非常勇敢但又十分愚蠢的事:他猛地向前一跳,用双臂从后面搂住了巨怪的脖子。巨怪是不会感觉到哈利吊在它身上的,但如果你把一根长长的木头插进它的鼻子,巨怪就不可能毫无感觉了。哈利在跳起时手里拿着魔杖—— 它径直插进了巨怪的一个鼻孔。