突とつ然ぜん血も凍こおるような鋭するどい悲ひ鳴めいが沈ちん黙もくを切り裂さいた――本が叫さけび声をあげた ハリーは本をピシャリと閉とじたが、耳をつんざくような叫びは途と切ぎれずに続いた。ハリーは後ろによろけ、その拍子ひょうしにランプをひっくり返してしまい、灯ひがフッと消えた。気は動どう転てんしていたが、ハリーは廊下をこちらに向かってやってくる足音を聞いた――叫ぶ本を棚に戻し、ハリーは逃げた。出口付ふ近きんでフィルチとすれ違った。血走った薄うすい色の目がハリーの体を突つき抜けてその先を見ていた。ハリーはフィルチの伸ばした腕うでの下をすり抜けて廊下を疾しっ走そうした。本の悲鳴がまだ耳を離はなれなかった。
ふと目の前に背の高い鎧よろいが現れ、ハリーは急きゅう停てい止しした。逃げるのに必ひっ死しで、どこに逃げるかは考える間もなかった。暗いせいだろうか、いまいったいどこにいるのかわからない。たしか、キッチンのそばに鎧があったっけ。でもそこより五階ぐらいは上の方にいるに違いない。
「先生、誰かが夜中に歩き回っていたら、直接先生にお知らせするんでしたよねぇ。誰かが図書館に、しかも閲覧禁止の所にいました」
ハリーは血の気が引くのを感じた。ここがどこかはわからないが、フィルチは近道を知っているに違いない。フィルチのねっとりした猫なで声がだんだん近づいてくる。しかも恐ろしいことに、返事をしたのはスネイプだった。
一阵凄厉的、令人毛骨悚然的尖叫划破了寂静一那本书在惨叫!哈利猛地把它合上,但是尖叫声没有停止,那是一种高亢的、持续不断的、震耳欲聋的声调。他踉跄着后退了几步,灯被撞翻了,立刻就熄灭了。在惊慌失措中,他听见外面的走廊上传来了脚步声—— 他赶紧把那本尖叫的书插回书架,撒腿就跑。几乎就在门口,他与费尔奇擦肩而过,费尔奇那双狂怒的浅色眼睛径直透过他的身体望出去。哈利从费尔奇张开的臂膀下溜过,沿着走廊狂奔,那本书的尖叫声仍然在他耳畔回荡。
他在一套高高的盔甲前突然刹住脚步。他刚才急于逃离图书馆,根本没有注意他在往哪儿走。也许是因为四下里太黑了,他辨不清自己身在何处。他知道厨房附近有一套盔甲,但是他现在肯定要比厨房高出五层啊。
“教授,你说过的,如果有人夜里到处乱逛,就立刻来向你汇报,刚才有人在图书馆,在禁书区。”
哈利觉得自己脸上顿时失去了血色。不管他在哪里,费尔奇肯定知道一条捷径,因为他那黏糊糊的、发腻的声音离他越来越近,而且令他大为惊恐的是,他听见了斯内普的声音在回答。