「閲えつ覧らん禁きん止しの棚たな それならまだ遠くまで行くまい。捕つかまえられる」
フィルチとスネイプが前方の角を曲がってこちらにやって来る。ハリーはその場に釘くぎづけになった。もちろんハリーの姿は見えないはずだが、狭せまい廊ろう下かだし、もっと近づいてくればハリーにまともにぶつかってしまう――マントはハリーの体そのものを消してはくれない。
ハリーはできるだけ静かに後あとずさりした。左手のドアが少し開あいていた。最後の望みの綱つなだ。息を殺し、ドアを動かさないようにして、ハリーは隙すき間まからそぉーっと滑すべり込こんだ。よかった。二人に気づかれずに部屋の中に入ることができた。二人はハリーの真ん前を通り過ぎていった。壁かべに寄りかかり、足音が遠とお退のいていくのを聞きながら、ハリーはフーッと深いため息をついた。危あぶなかった。危き機き一いっ髪ぱつだった。数秒後、ハリーはやっと自分がいま隠かくれている部屋が見えてきた。
昔使われていた教室のような部屋だった。机と椅い子すが黒い影かげのように壁かべ際ぎわに積み上げられ、ゴミ箱も逆さかさにして置いてある――ところが、ハリーの寄りかかっている壁の反対側の壁に、なんだかこの部屋にそぐわないものが立てかけてあった。通りのじゃまになるからと、誰かがそこに寄せて置いたみたいだった。
“禁书区?那么他们不可能走远,我们一定能抓住他们。”
哈利像脚底生了根似的待在原地,费尔奇和斯内普从前面的墙角拐过来了。他们看不见他,但这条走廊很窄,如果他们再走近一些,就会撞到他身上—— 隐形衣并没有使他的实体也消失啊。
他一步步后退,尽量不发出声音。左边有一扇门开了一条缝。这是他惟一的希望。他侧身挤了进去,小心翼翼地不把门碰动。谢天谢地,他总算进了房间。他们什么也没有注意到,径直走了过去。哈利靠在墙上,深深地吸气,听着他们的脚步声渐渐远去。刚才真惊险啊,太惊险了。几秒钟后,他才开始留意他借以藏身的这个房间里的情景。
它看上去像是一间废弃不用的教室。许多桌椅堆放在墙边,呈现出大团黑乎乎的影子,另外还有一只倒扣着的废纸篓—— 但是,在正对着他的那面墙上.却搁着一件似乎不属于这里的东西,仿佛是有人因为没有地方放,而临时把它搁在这里的。