「ハリーったら、いったいどこにいたのよ」
ハーマイオニーがかん高い声を出した。
「僕らが勝った 君が勝った 僕らの勝ちだ」
ロンがハリーの背をポーンポーンと叩たたきながら言った。
「それに、僕はマルフォイの目に青あざを作ってやったし、ネビルなんか、クラッブとゴイルにたった一人で立ち向かったんだぜ。まだ気を失ってるけど、大だい丈じょう夫ぶだってマダム・ポンフリーが言ってた……スリザリンに目にもの見せてやったぜ。みんな談だん話わ室しつで君を待ってるんだ。パーティをやってるんだよ。フレッドとジョージがケーキやら何やら、キッチンから失しっ敬けいしてきたんだ」
「それどころじゃない」
ハリーが息もつかずに言った。
「どこか誰もいない部屋を探そう。大変な話があるんだ……」
ハリーはピーブズがいないことを確かめてから部屋のドアをピタリと閉めて、いま見てきたこと、聞いたことを二人に話した。
「僕らは正しかった。『賢けん者じゃの石』だったんだ。それを手に入れるのを手伝えって、スネイプがクィレルを脅おどしていたんだ。スネイプはフラッフィーを出し抜く方法を知ってるかって聞いていた……それと、クィレルの『怪しげなまやかし』のことも何か話してた……フラッフィー以外にも何か別なものが石を守っているんだと思う。
きっと、人を惑まどわすような魔法がいっぱいかけてあるんだよ。クィレルが闇やみの魔術まじゅつに対たい抗こうする呪じゅ文もんをかけて、スネイプがそれを破らなくちゃいけないのかもしれない……」
「それじゃ『賢けん者じゃの石』が安全なのは、クィレルがスネイプに抵てい抗こうしている間だけということになるわ」
ハーマイオニーが警けい告こくした。
「それじゃ、三日ともたないな。石はすぐなくなっちまうよ」
とロンが言った。