ハグリッドがノーバートに別れを告げる時がやってきた。ハリーたちは自分の心配で手いっぱいで、ハグリッドを気きの毒どくに思う余よ裕ゆうはなかった。暗く曇った夜だった。ピーブズが入口のホールで壁にボールを打ちつけてテニスをしていたので、終わるまで出られず、二人がハグリッドの小屋に着いたのは予定より少し遅い時間だった。
ハグリッドはノーバートを大きな木箱に入れて準備じゅんびをすませていた。
「長なが旅たびだから、ねずみをたくさん入れといたし、ブランデーも入れといたよ」
ハグリッドの声がくぐもっていた。
「淋さびしいといけないから、テディベアの縫ぬいぐるみも入れてやった」
箱の中からは何かを引き裂さくような物音がした。ハリーには縫いぐるみのテディベアの頭が引きちぎられる音に聞こえた。
「ノーバート、バイバイだよ」
ハリーとハーマイオニーが透とう明めいマントを箱にかぶせ、自分たちもその下に隠かくれると、ハグリッドはしゃくり上げた。
「ママちゃんは決しておまえを忘れないよ」
どうやって箱を城に持ち帰ったやら、二人は覚えていない。入口のホールから大だい理り石せきの階段を上がり、暗い廊ろう下かを渡わたり、二人が息を切らしてノーバートを運ぶ間、刻こく一いっ刻こくと零れい時じが近づいていた。一つ階段を上がるとまた次の階段――ハリーの知っている近道を使っても、作業はあまり楽にはならなかった。
海格要跟诺伯告别了,哈利和赫敏如果不是忧心忡忡地想着即将采取的行动,一定会为海格感到难过的。那是一个漆黑的、阴云密布的夜晚,他们到达海格的小屋时已经有点晚了,因为皮皮鬼在门厅里对着墙壁打网球,他们只好一直等到他离开。
海格已经把诺伯装进一只大板条箱,准备就绪了。
“给它准备了许多老鼠,还有一些白兰地酒,够它一路上吃的了。”海格用沉闷的声音说,“我还把它的玩具熊也放了进去,免得它觉得孤单。” 板条箱里传出了撕扯的声音,哈利觉得似乎玩具熊的脑袋被扯掉了。
“再见,诺伯!”海格抽抽搭搭地说,“妈妈不会忘记你的!”哈利和赫敏用隐形衣罩住板条箱,随即自己也钻到了袍子下面。
怎么把板条箱搬到塔楼上去呢,他们心里没底。随着午夜一分一秒地临近,他们抬着诺伯走上门厅的大理石台阶,走过漆黑一片的走廊。上了一层楼,又上一层楼—— 尽管哈利抄了近路,也一点儿不省劲儿。