「ううん。僕たち急いでるんだ。ハグリッド、聞きたいことがあるんだけど。ノーバートを賭かけで手に入れた夜のことを覚えているかい。トランプをした相あい手てって、どんな人だった」
「わからんよ。マントを着たままだったしな」
ハグリッドはこともなげに答えた。
三人が絶ぜっ句くしているのを見て、ハグリッドは眉まゆをちょっと動かしながら言った。
「そんなに珍めずらしいこっちゃない。『ホッグズ・ヘッド』なんてとこにゃ……村のパブだがな、おかしなやつがウヨウヨしてる。もしかしたらドラゴン売ばい人にんだったかもしれん。そうじゃろ 顔も見んかったよ。フードをすっぽりかぶったままだったし」
ハリーは豆のボウルのそばにへたり込こんでしまった。
「ハグリッド。その人とどんな話をしたの ホグワーツのこと、何か話した」
「話したかもしれん」
ハグリッドは思い出そうとして顔をしかめた。
「うん……俺おれが何をしているのかって聞いたんで、森番をしているって言ったな……そしたらどんな動物を飼かってるかって聞いてきたんで……それに答えて……それで、ほんとはずーっとドラゴンが欲ほしかったって言ったな……それから……あんまり覚えとらん。なにせ次々酒をおごってくれるんで……そうさなあ……うん、それからドラゴンの卵を持ってるけどトランプで卵を賭かけてもいいってな……でもちゃんと飼えなきゃだめだって、どこにでもくれてやるわけにはいかないって……だから言ってやったよ。フラッフィーに比べりゃ、ドラゴンなんか楽なもんだって……」
「それで、そ、その人はフラッフィーに興味きょうみあるみたいだった」
ハリーはなるべく落ち着いた声で聞いた。