「ハリー、ごめん」オロオロ声だ。
「スネイプが出てきて、何してるって聞かれたの。フリットウィック先生を待ってるって言ったのよ。そしたらスネイプがフリットウィック先生を呼びに行ったの。だから私、ずっと捕つかまっちゃってて、いまやっと戻ってこれたの。スネイプがどこに行ったかわからないわ」
「じゃあ、もう僕が行くしかない。そうだろう」とハリーが言った。
あとの二人はハリーを見つめた。蒼そう白はくな顔に緑の目が燃えていた。
「僕は今夜ここを抜け出す。『石』を何とか先に手に入れる」
「気は確かか」とロンが言った。
「だめよ マクゴナガル先生にもスネイプにも言われたでしょ。退たい校こうになっちゃうわ」
「だからなんだっていうんだ」
ハリーが叫さけんだ。
「わからないのかい もしスネイプが『石』を手に入れたら、ヴォルデモートが戻ってくるんだ。あいつがすべてを征せい服ふくしようとしていた時、どんなありさまだったか、聞いてるだろう 退校にされようにも、ホグワーツそのものがなくなってしまうんだ。ペシャンコにされてしまう。でなければ闇やみの魔術まじゅつの学校にされてしまうんだ 減げん点てんなんてもう問題じゃない。それがわからないのかい グリフィンドールが寮りょう対たい抗こう杯はいを獲かく得とくしさえしたら、君たちや家族には手出しをしないとでも思ってるのかい もし僕が『石』にたどり着く前に見つかってしまったら、そう、退校で僕はダーズリー家に戻り、そこでヴォルデモートがやってくるのをじっと待つしかない。死ぬのが少しだけ遅おそくなるだけだ。だって僕は絶ぜっ対たいに闇の魔法に屈くっ服ぷくしないから 今こん晩ばん、僕は仕し掛かけけ扉とびらを開あける。君たちが何と言おうと僕は行く。いいかい、僕の両親はヴォルデモートに殺されたんだ」
ハリーは二人を睨にらみつけた。