扉とびらはきしみながら開き、低い、グルルルという唸うなり声が聞こえた。三つの鼻が、姿の見えない三人のいる方向を狂ったように嗅かぎ回った。
「犬の足あし下もとにあるのは何かしら」とハーマイオニーが囁ささやいた。
「ハープみたいだ。スネイプが置いていったに違いない」とロンが言った。
「きっと音楽が止やんだとたん起きてしまうんだ」とハリーが言った。
「さあ、はじめよう……」
ハリーはハグリッドにもらった横よこ笛ぶえを唇くちびるに当てて吹きはじめた。メロディーとも言えないものだったが、最初の音を聞いた瞬間しゅんかんから、三さん頭とう犬けんはトロンとしはじめた。ハリーは息も継つがずに吹いた。だんだんと犬の唸り声が消え、よろよろっとしたかと思うと、膝ひざをついて座り込み、ゴロンと床に横たわった。ぐっすりと眠り込こんでいる。
「吹き続けてくれ」
三人がマントを抜け出す時、ロンが念ねんを押した。三人はそーっと仕し掛かけ扉の方に移動し、犬の巨大な頭に近づいた。熱くて臭くさい鼻息がかかった。
犬の背中越ごしにむこう側がわをのぞき込んで、ロンが言った。
「扉は引っ張ぱれば開あくと思うよ。ハーマイオニー、先に行くかい」
「いやよ」
「ようし」
ロンがギュッと歯を食くいしばって、慎重しんちょうに犬の足をまたいだ。屈かがんで仕掛け扉の引き手を引っ張ると、扉が跳はね上がった。
随着吱吱嘎嘎的开门声,他们耳边立刻响起了低沉的狂吠。大狗虽然看不见他们,但它那三个鼻子全朝着他们这边疯狂地抽动、嗅吸着。“它脚边那是什么东西?”赫敏小声问道。
“看样子像是一把竖琴,”罗恩说,“肯定是斯内普留下来的。” “显然只要音乐一停止,它就会马上醒来。”哈利说,“好吧,你听着吧..”他把海格的笛子放到嘴边,吹了起来。他吹得不成调子,但他刚吹出第一个音符,大狗的眼睛就开始往下耷拉。哈利几乎是不歇气地吹着。慢慢地,大狗的狂吠声停止了—— 它摇摇摆摆地晃了几晃,膝盖一软跪下了,然后就丰卜通倒在地板上,沉沉睡去。
“接着吹,别停下。”罗恩提醒哈利,与此同时,他们脱去隐形衣,蹑手蹑脚地朝活板门走去。他们靠近那三只巨大的脑袋时,可以感觉到大狗那热乎乎、臭烘烘的气息。
“我想我们可以把活板门拉开了。”罗恩说,一边望着大狗的身后,“赫敏,你愿意第一个下去吗?',“不,我可不愿意!”“好吧。”罗恩咬了咬牙,小心地从大狗的腿上跨过去。他弯下腰,拉动活板门上的拉环,门一下子敞开了。