足音以外に聞こえるのは、壁を伝い落ちる水すい滴てきのかすかな音だけだった。通路は下り坂で、ハリーはグリンゴッツを思い出していた。そういえば、あの魔法銀行ではドラゴンが金きん庫こを守っているとか……ハリーの心しん臓ぞうにいやな震ふるえが走った。もしここでドラゴンにでくわしたら、それも大人おとなのドラゴンだったら。赤ん坊のノーバートだって手に負えなかったのに……。
「何か聞こえないか」とロンが小声で言った。
ハリーも耳を澄すました。前の方から、柔やわらかく擦こすれ合う音やチリンチリンという音が聞こえてきた。
「ゴーストかな」
「わからない……羽の音みたいに聞こえるけど」
「前のほうに光が見える……何か動うごいている」
三人は通路の出口に出た。目の前に眩まばゆく輝かがやく部屋が広がった。天井てんじょうは高くアーチ形をしている。宝石のようにキラキラとした無数の小鳥が、部屋いっぱいに飛び回っていた。部屋のむこう側がわには分ぶ厚あつい木の扉とびらがあった。
「僕たちが部屋を横切ったら鳥が襲おそってくるんだろうか」とロンが聞いた。
「たぶんね。そんなに獰どう猛もうには見えないけど、もし全部いっぺんに飛びかかってきたら……でも、他ほかに手しゅ段だんはない……僕は走るよ」とハリーが言った。
他们听见,除了他们自己的脚步声外,还有水珠顺着墙壁缓缓滴落的声音。这个走廊顺坡而下,这使哈利联想到了古灵阁。他的心猛地跳动了一下,他想起了传说中看守巫师银行金库的那些巨龙。如果他们碰到一条龙,一条完全成年的大龙—— 诺伯就已经够难对付的了..“你能听见什么动静吗?”罗恩小声问。
哈利侧耳细听。前面似乎传来了轻轻的沙沙声和叮叮当当的声音。
“会不会是一个幽灵?”
“我不知道..好像是翅膀扇动的声音。”
“前面有亮光—— 我看见有什么东西在动。”
他们来到走廊尽头,面前是一间灯火通明的房间,上面是高高的拱顶形天花板。无数只像宝石一般光彩夺目的小鸟儿,扑扇着翅膀在房间里到处飞来飞去。房间对面有一扇厚重的木门。’“你说,如果我们穿过房间,它们会朝我们发动进攻吗?”罗恩问。
“有可能。”哈利说,“它们看样子倒并不凶恶,但如果它们一下子全部冲过来,恐怕..管它呢,反正也没有别的办法..我跑过去了。”