日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 江户川乱步 » 虎牙 » 正文

虎牙-小林少年的冒险

时间: 2021-11-10    进入日语论坛
核心提示:小林少年の冒険 さて、こちらは小林少年です。 怪屋からあまり遠くないところに、明智探偵のよく知っている自動車屋がありまし
(单词翻译:双击或拖选)

小林少年の冒険


 さて、こちらは小林少年です。
 怪屋からあまり遠くないところに、明智探偵のよく知っている自動車屋がありました。小林君はそのうちをたたき起こして、明智探偵からだと言って、しっかりした運転手の乗りこんだ、一台の自動車をだしてもらいました。
 小林君は、その自動車屋で、よごれたレーンコートと鳥打(とりう)ち帽を借り、ガレージのゆかのほこりを手につけて、自分の顔をなでまわし、うすぎたないチンピラ助手に化けて、運転手のとなりに、腰かけました。そして、その車を、二十面相が逃げだせば、かならず通る大通りまで走らせ、そのへんを徐行(じょこう)したり、とまったりして、待機していたのです。
 小林君は運転席から、月夜の大通りを見まわしながら、胸をドキドキさせていました。二十面相ははたして、逃げだしてくるのでしょうか。くるとしても、いったい、どんな姿で、やってくるのでしょう。まさか魔法博士のままで、逃げだすとは考えられません。明智先生に化けているかもしれません。それとも、もっとちがった、なにかへんてこなものに化けるかもしれない。なにしろ、あいては二十の顔を持つという、変装の名人ですから、ゆだんもすきもあったものではありません。
 三十分もそうしていると、とつぜん、町角から、ヒョイと飛びだした人影があります。小林君はハッとして目をこらしました。明智先生です。いや、先生に化けた二十面相にちがいありません。
 そいつは、ちょっと立ちどまって、右左を見まわしていましたが、小林君の自動車が、あき(ぐるま)であることをたしかめると、いきなり、こちらへ走って来ました。
 もし、こいつがほんとうの二十面相なら、あとから三人の少年探偵団員が尾行しているはずです。そういうもうしあわせだったのです。それで、小林君は、明智先生とそっくりのやつが、飛びだしてきた町角を、じっと見つめていました。
 すると、その町角の、月かげになった軒下をつたって、チョロチョロと、リスのようにかけだしてくる、小さな人間の影が、かすかに見えました。三人です。たしかに明智先生に化けたやつを尾行しているのです。
 小林君はそれを見て、いよいよこいつは、二十面相にちがいないと思いました。それで、となりの運転手にあいずをして、グッと心をおちつけるようにして、待ちかまえていました。
 明智先生とそっくりのやつは、自動車のそばまでやってくると、「東京まで行けるか。」と声をかけました。声まで明智先生ににているのです。運転手が、行ってもいいと答えますと、その男は、いきなりドアをひらいて、客席に飛びこみました。そして、「全速力でやってくれ。」とどなりました。
 小林君は、自転車がすべりだした時、左手の窓ガラスを、指のつめで、コツコツ、コツコツコツ、コツとたたきました。これは明智先生と約束してある暗号通信でした。もし、あいてが明智先生だったら、この暗号にたいして、コツ、コツコツと返事をしてくれるはずです。それをしないやつは、いくらそっくりの姿をしていても、明智先生ではないのです。この男は、小林君の通信をたしかに聞いたのに、なにも返事をしません。これで、二十面相にちがいないことが、ハッキリわかりました。
「金はいくらでもだす。飛ばしてくれ。うんと飛ばしてくれ。」
 男はあせっています。小林君が運転助手に化けて、すぐ目の前にいることなど、すこしも気づいていないのです。
 車は広い京浜(けいひん)国道に出て、おそろしい速度で走っています。東のほうの空が、ポーッと明かるくなってきました。もう朝なのです。両側の工場や人家が、あとへあとへと、飛びさって行きます。国道には車も人も、じゃまになるものは、何もありません。
 怪人をのせた自動車は、無人の(きょう)を、黒い風のように飛んで行くのです。
 ふと気がつくと、うしろから強い光がさしていました。べつの自動車のヘッド・ライトです。小林君は窓から首をだして、うしろを見ました。客席の怪人も、うしろの窓をのぞいています。五十メートルほどあとに、二つのヘッド・ライトが、怪物の目のように、ランランと光っていました。その光がまぶしくて、車内の人などはすこしも見えません。
 こちらの車も全速力を出しているのですが、うしろの車は、もっと早いのです。まるできちがいのような速度です。
 明智探偵に化けた怪人は、不安らしくキョロキョロしていましたが、いきなり運転台にのしかかるようにして、
「オイ、あいつにぬかれるな。もっと速力をだせ。あいつをひきはなしたら、五千円のほうびだ。」
とどなりました。
 しかし、いくらどなられても、自動車の性能がおとっているのだから、しかたがありません。またたくひまに、その自動車は、すぐうしろに近づき、まぶしいヘッド・ライトで、こちらの車内を、いっぱいにてらしつけながら、アッと思うまに、追いこしてしまいました。
 こんどは、こちらのヘッド・ライトが、向こうをてらすことになりましたが、どうしたわけか、うしろの自動車番号の鉄板に、なにか布のようなものが、まきつけてあって、番号を読むことができません。むろん、車内灯はついていませんし、そのうえ、客席にいる人は、グッとうつむいているので、その服装さえわかりません。
 追いこした車は、ますますスピードをかけて、みるみる遠ざかって行き、いつのまにか影も見えなくなってしまいました。そのまま国道を走って行ったのか、わき道へそれたのか、それさえわからないのです。
 これで、その車が二十面相を、追っかけてきたのではないことが、ハッキリしました。もし、追っかけてきたのなら、逃げるように先へ行ってしまうはずがないからです。怪人はやっと安心したように、ゆったりと、クッションにもたれかかりました。
 いったい、あの自動車には、何者が乗っていたのでしょう。ひょっとしたら、ほんとうの明智探偵が、乗っていたのではないでしょうか。しかし、もしそうだとしたら、なぜ怪人をとらえないで、先へ走って行ってしまったのでしょう。
 それはともかく、やがて、だんだん空が明かるくなり、早起きの店などは、もう戸をひらきはじめました。そして怪人の自動車は、品川駅を通りすぎ、いよいよ東京の町にはいって行きました。

轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

热门TAG: