そこではあたかも芸術の鑑賞者と同じく、消費者もまた自分が何を好んでいたかに気付くのであって、一種の表現と自己発見がなされているといえる。このように見ると、現代の社会は、生産者と消費者が一つになって、人間の欲望と趣味を探し求めている巨大な実験室だ、と言えるかもしれない。
(山崎正和「自己発見としての人生」より)
1、現代の消費者の特徴はどれか。
①予め購入したい物があるのでなく、市場で魅力的な商品を見つけたときに買う。
②予め購入したい物を決めておき、少しでも安く売っている店を探して買う。
③美しさや面白さが欲望の対象となっており、価格がどうか気にしない。
④自分がほしいものが何かわからず、お店の人やセールスの人に左右されやすい。
2、「そこではあたかも芸術の鑑賞者と同じく、消費者もまた自分が何を好んでいたかに気づくのであって」とあるが、現代の消費者のどんな点が芸術の鑑賞者と同じなのか。
①創造的で、効率を計りにくい仕事が重要になった点。
②基礎的な欲望をより安く効率的に達成jしようとする点。
③自分が欲していたものを、対象との出会いを通して発見する点。
④人間の欲望と趣味を探し求めている実験室である点。