19.踊念仏
踊念仏とは、太鼓・鉦などを打ち鳴らし、踊りながら念仏・和讃を唱えること。その起源は平安時代中期の僧空也にあるといわれる。鎌倉時代、時宗の一遍が信濃国の伴野を訪れたとき、空也に倣って踊念仏を行った。
時宗の踊念仏は、現在も実演を行なっているのは、前述の佐久市の跡部(野沢のやや西方)の西方寺のもののみで、重要無形民俗文化財に指定されている。
同じ時期に九州の浄土宗の僧・一向俊聖も一遍とは別に踊念仏を行った。それ以来、時宗・一向宗(一向俊聖の系統の事で浄土真宗とは別宗派、後の時宗一向派)の僧が遊行に用いるようになり全国に広まった。