元禄文化とは、17世紀終わり頃から18世紀初頭にかけて、元禄時代を中心として、主に京都?大坂などの上方を中心に発展した文化である。特色として庶民的な面が濃く現れているが、必ずしも町人の出身ばかりでなく、元禄文化の担い手として武士階級出身の者も多かった。
元禄年間になると、近世的な特色が全面的に開花することになった。小説で、井原西鶴が人間の欲望を肯定した浮世草子を創始し、俳諧では芭蕉が俳諧の文学性を高め、浄瑠璃では、近松が義理と人情を哀切に描いた。これらの作品はいずれも人間性を深く洞察した作品で、近世文學の黄金時代を築いた。