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NR(ノーリターン)69

时间: 2018-09-30    进入日语论坛
核心提示:68 それから、一気にMSUが登場してきたの。 テレビだけじゃない。新聞の広告や記事。(PRのページなのか、ふつうの特集記
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 それから、一気にMSUが登場してきたの。
 テレビだけじゃない。新聞の広告や記事。(PRのページなのか、ふつうの特集記事なのか、一見してわからないようなものも多かった)
 なかでも、週刊誌などの雑誌には、数多く取り上げられているようだった。MSU関連の出版社も設立されているみたいで、何冊か本も出ていた。
 ある朝、新聞を開くと、『わいが、桝本や。チンポが小そうて悪かったな』というタイトルの新刊の広告があった。
 桝本組長のカミングアウト。
 店長の話だとね、マフィアの会合で高原組長に出されちゃったんだって。例のピンクのペニス。俺のロッカーにあったやつ。
 それ聞いて、かわいそうになっちゃった。幹部たちに、桝本の原寸大シリコンのペニスがまわされて、笑いものだったっていうんだから。
 で、開き直って、もちろん、他にも理由はあるのかもしれないけど、反男根主義を掲げるMSUに接近、彼は理事という肩書を得た。
 眉子叔母さんの観測だと、どうやらMSUは政党を結成しようとしているらしかった。来るべき総選挙で、独自候補の擁立を目指す。
 日本発の特報で、CNNまでがMSUを取り上げた。新しいカルト集団が、日本で成功を収めている。彼らのシンボルマークはUFOだ、とキャスターが含み笑いで紹介していた。
 眉子叔母さんと俺は、MSUからのアプローチを拒否した。
 実際、すげえ、しつこいんだから。Kは、やたらに連絡を取りたがるの。夜中に電話を取ると、ナースからだったりもした。
 Kの秘書を名乗るものがアパートメントのロビーで、声をかけてくる。眉子叔母さんは、買い物に行くのにも何者かに尾行されているのを感じるっていう。それって、俺じゃないぜ。
 いよいよMSUの総決起集会が開かれる、という宣伝が大々的に流された。
「UFO祭り」と名づけられている。宮崎県の高天原《たかまがはら》と目される野外で、UFOを呼ぶ集いだそうだ。
「テレビ中継をするというのは、すごいです。それも二時間スペシャル」
 店長が、そう言って、生ハムに手を伸ばした。
「スペインでは、新聞でもテレビでも、カトリックに関しての報道は多いの。イングラテーラだとか、ええと、イングランド、日本語ではイギリスよね、それからフランシアだとかと比べても多い。古い国だから。でも、こんないかがわしい宗教はねえ」
 眉子叔母さんは、日本ではチーズもハムも異様に高いって文句を言ってたけれど、スペイン風の食卓で、店長を迎えた。
 今晩は、店長は、ちゃんとドアからはいってきてワインを飲んでいる。
「で、UFOは現われるのですか? それとも、レーザーか何かで夜空に映す、特撮みたいな手をつかうのでしょうか」
 その店長の疑問と同じものが日本中の関心を集めて、テレビ中継が企画されたことになっている。
 眉子叔母さんの説では、豊富な資金力でテレビ局を抱き込んだ。あるいは、局の中枢に信者がいる。あるいは、その両方。
 裏に何かがあるそうで、叔母さんは、いまや、かなりのMSUウォッチャーだ。
「現われても現われなくても、いいようになってるみたい。昨日、慧がインタビューに答えてたわ。現われなければ、また、別の機会に呼ぶんだって」
 画面では、花火が続けざまに上がっていた。
 アナウンサーが、この花火を見たくてUFOがやってくるのでしょうか、と絶叫した。
「いやあ、みっともないです」
 屋外に臨時に設置されたステージでは、音楽の演奏とともにダンスが始まった。
「このひとたち、体育祭でもするつもりなのでしょう」
 たしかに、店長が言うように、かっこ悪い。テニスウエアのような服で、跳ねるような踊り。
 
「We Are The MSU」
 
 変な曲。俺が駅前で聴いたやつの、新バージョンだろう。
 それも終わると、いよいよKの出番。我々の、眉子叔母さんと俺の母が登場するシーンのようだ。
 音楽がいったんとぎれ、静まりかえった会場。ステージの照明が落とされる。
 俺たち三人は、黙ってテレビを見つめていた。
 突然の大音響。スポットライトが交錯し、焦点が合ったとき、そこにKの姿があった。ひらひらしたピンクのドレスを着て、手を振っている。
 そのとき、画面の右隅からだった。
 数名の男が、勢いよく壇上に駆け上がると、両側からKを取り押さえた。
 スポットライトを浴びて光っているのは手錠だ。それはKの手首にしっかりと嵌《は》められる。
 そのとたん、画面はブラックアウトしてしまった。
 しばらくお待ちください、のテロップ。
「ああ、見ました……か? あれは……」
 店長が、切れ切れに言った。
 こんなにびっくりしている店長を見るのは初めてだ。海岸で撮影中にパトカーのサイレンが聞こえたときだって、そんなにはあわててなかったみたいだったのに。
「見たわ、私も。絶対、そうだと思うんだけど……」
 眉子叔母さんも呆然《ぼうぜん》としている。
 ふたりが何を言っているのか、俺にはわからなかった。
「これ、録画してるの。いま再生する」
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