街灯もない昔のこと。薄暗い夕闇の中では、人の顔もよく見えなかったのでしょう。「誰そ?彼(たそかれ)」(あの人は誰?)という言葉を交わす時刻だということから、黄昏という言葉が生まれました。これに対して朝の薄暗い時刻は、「彼は誰時(かはたれどき)」というそうです。こちらは「彼は誰(かはたれ)?」というわけですね。
黄昏は人生の盛りを過ぎたころの比喩にも使われて、少し寂しい言葉でもあります。
もしかしたら、人生の中で、通り過ぎた人々を「あれは誰だったかなぁ」と振り返る時期・・・・・・そんな意味もあるのかもしれません。