公孫丑「では、先生が『言葉を理解することができる』とおっしゃることの意味を教えていただけませんか。」
孟子「かたよった言葉については、その話し手が隠そうと思っている真意を知ることができる。むちゃくちゃな放言については、それを言わせている話し手の心のとらわれを知ることができる。いかにも道理を外れた邪言については、それが正道からどれだけ離れているかを知ることができる。言い逃れの言葉については、それを言わせている話し手の窮境を見抜くことができる。こういったよくない言葉を発する心があるとき、その者は政道に害をなす。それによって政道に乱れがあるとき、政治の事業もまただめになる。今、再び聖人が現れても、必ず余の言葉の解釈に同意するはずだ(余は言葉の真意を理解する術を会得している)。」