孟子は言う。
「孔子の弟子、子路は人が自分の過ちを教えてくれたら喜んだ。夏王朝の始祖、禹は人から善言を聞くと拝んで感謝した。舜はさらに偉大であった。人と共に善を行い、自分のわだかまりなど捨てて人に従ったうえで、人のよいところを取って善事を行うのを楽しんだ。庶民時代に農業したり商売したり陶器づくりをしたり漁業をしたりしていた頃から、尭に見出されてやがて帝位に上がる時まで、人のよいところを取って善事を行わないことはなかった。人のよいところを取って善事を行うのは、人と共に善を行うということだ。ゆえに、君子たるもの舜のように人と共に善を行うことより偉大なことはないと心せよ。」