作業員33人の救出活動が完了したチリ鉱山の現場は、14日午後、それまでのけん騒がうそだったかのように静けさを取り戻しました。こうしたなか、救出作業に使われた縦穴と、救出用カプセルが報道陣に公開されました。
救出作業を見守る家族が寝泊まりしてきた「希望」を意味するキャンプ・エスペランサからは、ほとんどの人影が消え、国内外のメディアの大半も作業員が入院するコピアポ市内の病院周辺へと取材や中継の拠点を移しました。こうしたなか、救出作業に使われた縦穴と、救出用カプセルが報道陣に公開されました。鋼鉄製のカプセル「フェニックス」は、直径56センチ、長さおよそ4メートル。現場に持ち込まれた3つのうちの1つで、引き上げ用のクレーンのそばに、そのまま横たえられていました。カプセルは、33人の作業員と、地下に降りた6人の救助隊員を引き上げるために、620メートル余りの縦穴をおよそ40往復したため、表面には多くの傷がついていました。また、救出に使われた縦穴の入り口は、鉄製のふたで閉じられていました。チリのゴルボルネ鉱業相は、今後この縦穴をコンクリートでふさいだうえで、現場は今回の歴史的な救出活動を記憶に残すため、何らかの形で保存する考えを示しました。