世の中がぼやけて狭くなった
全てのものが大きく迫ってくる
ちりひとつない道ですれ違うものは
皆同じ顔をした美しい人たち
眩しすぎて思わずうつ向いてしまった
夜道を歩いていると楽しくなる
三色の光輝くドーナツは
赤青黄の信号機
まばゆい尾をひく彗星は
行き交う車のヘッドライト
光にたどり着くと
いつの間にか通り過ぎ
影だけが意地悪く
笑いながら付いてくる
ちょっぴり怖くなって
足早に歩いてみる
夕げの香りに気がゆるんで
ふと水面をのぞくと
白い魚がゆらゆらと泳いでいた
不思議に思い空を見上げると
白い月がぼやっと浮いていた