指先から心臓
胸元から脳へ
一秒すら置かず
ひゅんと
指を引いてしまうには充分の
針 針 針
窓辺に置いた鉢植えの
鎧をまとった小さな背
解かれることのない
無数の棘と
人差し指に膨らんだ
一滴の虚無
あふれるほどの水をやれば
少しは優しくなるのだろうか
芽吹いた棘は
内側すら傷つけている
映るのは
そんな有様なのに
泣いているのか
報われない思いを抱え
叫んでいるのか
理不尽な仕打ちに対し
求めているのか
春の陽に似た両腕を
此処はやがて
日だまりを作る窓辺だと
それすらも忘れて
沈黙の背よ