日差しの強い季節になり、そろそろ日傘の出番ではないだろうか。だがいざ日傘を使おうと思い、デパートに行っても、その種類の多さに迷ってしまうのではないだろうか。しかもタグには紫外線カット率やら遮光率やらいろいろ書かれている。好きな色やデザインで選んでしまっていいのだろうか? 日傘と傘の専門店にお勤めでアンブレラマスターの赤松さんに聞いてみることにした。
■「日焼け防止」か「日除け」か、目的別で選ぶ基準が変わる
「日傘にどんな機能を求めるかによって判断基準が変わります。日焼け防止なら『紫外線カット率』、日除けとしての機能も求めるなら『遮光率』に注意してください」(赤松さん)
紫外線カット率が高いということは、光を通さないということではないのか。これで傘の中が暗くなってしまうことはないのか?
「誤解されやすいのですが、紫外線カット率が99%でも、光が透けないわけではありません。サングラスや車のガラス窓を見てもわかるように、光を通し生地が透ける紫外線カット率99%の日傘が存在します」(赤松さん)
日傘とひとくくりにしてしまいがちではあるが、「紫外線カット率」と「遮光率」で日傘の用途の違いがあるということがわかった。しかし、傘の色は「紫外線を吸収してカットする黒系」がいいのか、「反射する白系」がいいのか、再び赤松さんに伺った。
■紫外線カット加工済みなら、何色でも自由
「昔は白い純パラソルが主流でしたが、今は黒が主流です。マスコミで取り上げられたこともあり、黒い方が紫外線をカットするというイメージが強いと思います。しかし生地に紫外線カット加工を施すと、生地の色にかかわらずカットできるので、お好みの色を選んでいただけます」(赤松さん)
カラフルな日傘を見かけることが多くなったのは、紫外線カット加工が広がったからということだ。最近はシルバーやゴールドなどの傘もあるようだが、特別な効果はあるのだろうか。
「光沢のあるコーティングをするのは、紫外線や太陽熱を反射させるためですが、忘れてはならないのが照り返しです。気象庁のホームページによると、アスファルトで10%、砂浜では25%もの紫外線が反射しているそうです。傘をさして上から紫外線を防ぐだけでなく、下から照り返す紫外線の存在にも気を配る必要があるのです」(赤松さん)
赤松さんによれば最高の組み合わせは、生地そのものも厚くならず照り返しの紫外線も防ぐ、外側がシルバーで内側が黒や紺など濃い色ということだ。また、晴雨兼用のものも日傘としての効果は「紫外線カット率」、「遮光率」を見ればわかるので、検討するうえで、ラベルなどをチェックすることを忘れずに。