仕事や就職活動、合コン、どんなシチュエーションにおいても、フォーカスされるコミュニケーション能力は「おしゃべり」することばかりです。誰もが話すことを得意としているわけではありませんし、性格が大人しい人、口下手な人、内向的な人達もたくさんいます。その人たちをコミュニケーション能力が低い、と判断してしまうのは酷な話です。
最近では、口下手な人向けの「しゃべらない会話術」や「聞く側のコミュニケーション」について書かれた本も出版され始めているのをご存知ですか?しゃべらない会話術、聞く側のコミュニケーションとはどのようなものなのでしょうか。
◆実は、相手に印象を与える重要な役割が「非言語コミュニケーション」というものだった
「第一印象で9割決まる」や「一目ぼれ」という言葉があるように、おしゃべりをする前に持たれる印象というものがあります。これは、「非言語コミュニケーション」にあたるものです。コミュニケーションには、「言語コミュニケーション」と「非言語コミュニケーション」の2パターンがあって、「言葉」を介さないものを「非言語コミュニケーション」と言います。
・非言語コミュニケーション
<視覚情報> 表情、姿勢、視線、感情、ジェスチャー、服装や髪型など
<聴覚情報> 声質・トーン、テンポなど
・言語コミュニケーション
<言語情報> 会話、文字、文章、印刷物など
例えば、あまり会話をするのが得意ではないとしても、「挨拶」だけ元気よく大きな声で言うだけで、好印象を与えることだってできます。
笑顔、元気な挨拶、ハキハキした返事、おしゃべりが少なくてもこれだけで十分良い印象を持たれるのです。
かつての日本は現代と反対で、積極的に話しをしない女性を「奥ゆかしい」、じっと黙っている男性を「威厳ある、硬派」と言い、好印象に捉えられていました。ペラペラ話さないことの方が魅力とされていたことも、理に適っていると言えます。
◆自分がしゃべりたくなければ、相手にしゃべらせる「しゃべらない技術」
現代では、コミュニケーション能力の高い人=社会適応能力が高いと評価されていますが、そもそも聞く人がいないとコミュニケーションは成り立ちません。話すのが得意でなければ聞く側に徹すればよいのです。
聞く側は何をすれば良いかというと、ひとつの例としては、話の中から、「なぜ?」を見つけて質問をすることです。「なぜ、それが好きなの?」「なぜ、そこに行ったの?」「なぜ、それを買ったの?」といった要領です。
話す側は、自分に興味を持ってくれたと感じて、喜んで話し始めます。そうすれば、相槌を入れて聞いているだけで良いので、会話は途切れず、しゃべらなきゃというプレッシャーがなくなりますね。
会話術の本を読んでみたけど、難しいと思っている人は、時代の流れに乗っかって苦手なことをするより、しゃべらない技術や、聞く側のコミュニケーションの本を手にしてみてはいかがでしょうか。