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禁煙で肺がん減らないの誤解

时间: 2017-05-02    进入日语论坛
核心提示: 2020年の東京オリンピックに向けて、受動喫煙対策を盛り込んだ健康増進法改正案、いわゆる禁煙法案の議論が行われています
(单词翻译:双击或拖选)
 2020年の東京オリンピックに向けて、受動喫煙対策を盛り込んだ健康増進法改正案、いわゆる禁煙法案の議論が行われています。その中で先日、麻生太郎財務相が「肺がんとたばこにそれほどの関係があるのか?」という趣旨の発言をしたことが話題になりました。喫煙率の低下に反して、肺がんの死亡率が下がっていないことへの疑問が背景にあるようです。呼吸器内科医で公衆衛生学が専門の和田裕雄・順天堂大准教授に解説してもらいました。
 
 ◇喫煙率とがん死亡を考える三つの論点
 
 日本の喫煙率は、男性が1960年代の約80%より減少し、現在約30%、女性は同20%弱から微減の10%程度で推移しています。一方、同じ期間の肺がん死亡数は一貫して増加し、93年以降は男性のがん死亡率の1位となりました。麻生財務相の発言はこの状況に言及したものでしょう。確かに喫煙は肺がんの原因であるにもかかわらず、喫煙率が低下しているのに、肺がんの死亡数が増加している、という一見矛盾する現象が見られます。
 公衆衛生学の講義でこの問題を考える場合、私は以下の三つの論点を挙げます。
(1)喫煙あるいは禁煙の効果が表れるまでには長い期間を要すること。
(2)医療の進歩により他の病気による死亡が減少し、高齢化社会が到来したこと。
(3)高齢者は若年者と比較しがんを発症しやすいこと。
 
 ◇ブリンクマン指数 1日の本数×年数でリスクが分かる
 
 過去の喫煙の評価手法の一つとして「ブリンクマン指数」という指標があります。これは「1日の喫煙本数×喫煙年数」で表される指数のことです。1日30本喫煙し、それを20年間継続した人のブリンクマン指数は「30×20=600」となります。
 ブリンクマン指数は、喫煙が人体に及ぼす影響、遺伝子変異やエピゲノム(DNAの配列を変えることなく、遺伝子の働きを変えるよう施された情報の集まり)の変化の蓄積を示していると考えられます。興味深いことに、ブリンクマン指数が400を超す集団では、肺がん、慢性閉塞性肺疾患、動脈硬化性疾患など喫煙に関連する疾患の発症が目立つようになります。
 例えば1日20本たばこを吸う人は、20年でブリンクマン指数が400を超え、数年後に肺がんを発症、治療を受けながらさらに数年生存し、死亡に至るというプロセスが考えられます。となると、喫煙開始から肺がんによる死亡までは数十年かかり、現在、肺がん死亡が多いという現象は、個人レベルでの数十年前の喫煙を反映していることになります。同じ理由で、現在の喫煙率の減少の効果は数十年後に反映されると考えられます。
 
 ◇20年前から肺がん死亡は減り始めている!
 
 次に論点の二つ目と三つ目を考えてみましょう。戦後、日本の死因上位は結核などの感染症や脳卒中が占めていました。その後の急速な医療の進歩でそれらの疾患による死亡は激減、比例して平均寿命が延びていきました。ところが、がんの原因となる遺伝子の変異は、高齢になるほど蓄積し、変異の蓄積自体を止めたり、効果的に遅らせたりする方法はまだ実現していません。そのため、高齢者が増えると、あらゆるがんの患者数は増加してしまいます。
 そこで、集団の中で疾患や健康に関するできごとの発生原因や変動の様子を研究する「疫学」という学問では、高齢化の影響を除外して、さまざまな疾患の死亡率を解析し、評価する「年齢調整死亡率」という考え方を用います。そこで肺がんの年齢調整死亡率を見ますと、20年以上前の96年をピークに減少に転じています。つまりこの年以降、喫煙率低下と肺がん医療の発展による、肺がん死亡の抑制効果は表れ始めているのです。
 現在65歳以上の人が20代だった40年前の喫煙率は約80%、30代だった30年前も約60%もありました。その後は喫煙率が大幅に低下してきたことを考えますと、肺がんの年齢調整死亡率は、今後さらに低下すると予想されます。
 大学での私の講義では、以上のような説明をして、「喫煙率が減少しているのに、肺がん患者は確実に増えている。喫煙率と肺がん発症または死亡との間に関係はあるか」という問いには、「禁煙と肺がんは関係があり、実は肺がん患者は減少している」と結論付けています。
 
【新出単語】
 
受動喫煙 被动吸烟
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热门TAG: 禁烟 肺癌 误解