温泉の美肌効果は人間だけでなく、動物にもある。そんな研究成果を、山口大共同獣医学部の木村透教授のチームがまとめた。カピバラやモルモットを使った実験を重ねた結果、肌の状態アップを示すデータが得られたという。14日に鹿児島大である日本獣医学会学術集会で発表する。
実験で使ったのは、山口市の湯田温泉の湯。アルカリ性で、とろっとした手ざわりで「美肌の湯」として知られる。秋吉台サファリランド(山口県美祢(みね)市)に協力してもらい、園内で温水に毎冬つかっているカピバラ6頭を3週間借りた。高温多湿の南米に生息する動物で寒さや乾燥に弱く、冬は皮膚が荒れやすいという。
水温39~41度の温泉を用意し、屋外でカピバラを入浴させた。その後に、酸性かアルカリ性かを示すpH(水素イオン濃度指数)を検査し、温度もサーモグラフィーで測った。
その結果、入浴後の保温効果が30分以上続き、pHも上昇し、皮脂がとけて肌がすべすべになる美肌効果が確認されたという。モルモット12頭の実験は温泉と水道水で比べたが、同様の傾向だった。