汽車站(バスターミナル)で石林行きのバスを探すが、なかなか見つからない。切符売り場の人に「石林」と書いた工作手帳を提示してみると何やら早口で「ニーシーチューチーチョー!!」と教えてくれるのだが、ひとっこともわからない。まだ年末年始の泰葉の言動の方が理解出来るレベルである。あなたもしかして、単なる意地悪で「チューチョーチーチョー!」と意味のない言葉を適当に叫んでいるんじゃあるまいなっ!?
う~ん困った。しょうがないから、別の人に聞いてみるか……オロオロ……
「あのすみませんそこゆくお人。僕は石林に行きたいんですがバスは……おろおろ……」
「ニーシーチューチーチョーニーシーチューチーチョー!!!」
「おあっ(涙)!! すみません(号泣)!!!」
じゃ、じゃあ向こうにいる掃除のおばちゃんに……おろおろ……
「あのすみませんおばちゃま。石林にはどのバスで行ったらよいのでせうか……おろおろ……」
「ニーシーチューチーチョーニーシーチューチーチョー!!!」
「いやああっ(涙)!! ごめんなさい(号泣)!!!」
売店の人のよさそうなおじさんに……おろおろ……
「お尋ねします~(涙)。バスで石林まで行きたいんです~~行きたくてたまらないんです~~(号泣)」
「ニーシーチューチーチョーニーシーチューチーチョー!!!」
「ひひひひっ(涙)!! そんなに怒らないでお願いっっ(号泣)!!!」
あっ、バスターミナルなのになぜか野良犬が入って来ている。野良犬が寂しげにウロチョロしている。
「ノラ犬さん。僕は石林にバスで行きたいんですが、バスが見つからないんです(涙)。人に聞いても何を言っているのかわからなくて、辛いんです(号泣)」
「クウ~~ン(涙)」
「辛いよね(泣)。同じだよね(涙)。キミも中国語が理解出来ないんでしょう(号泣)??」
「キャイ~~ン(涙)」
「なんだって! 対話が成り立たないだけじゃなく、犬料理にして食べられるんだって(涙)? それはなんて辛いんだ……(号泣)。わかるよ。辛いよね(涙)。一緒に泣こうよ」
「ワオ~~~ン(号泣)!!」
「うお~~~~ん(号泣)!!!」