この人形も中国の民間で巧みに作られた、動く人形の一つです。この人形は、菅笠、頭、体の3つの部分からできています。全体に統一した彫刻が施してあり、四股と体の部分は針金でつないであります。そして、腰の部分が軸になっています。1本の細い針金が体全体につながり、足の下の竹の部分までつながっています。したがって、竹を引っ張ったり、針金の引っ張ったりすると、人形が動き出します。その動作はとても面白い。人形はとても人間的で、絵で五官は描いてありますが、装飾模様はありません。木が持つ材質の色合いで作品を表現しているので、たいへん素朴な人形と言えます。
中国の民間では、擦ること、ぶつけること、回転させること、引っ張ることなどの方法を巧みに操って、動くおもちゃや音の出るおもちゃをつくります。例えば、「嘩啦棒槌」、「仙人打鼓」、「空竹」、「皮老虎」、「泥叫叫」などです。写真の中の菅笠をかぶった人形は、収穫に忙しい、木の籾殻取り人形です。