刺繍に生かされているものは、主に竜、鳥獣、銅太鼓、花卉、蝶々そして自民族歴史などに限られています。図にあるミャオ族の作業は腰巻を刺繍しているところです。白いものをベースにした腰巻に、蝶々とムカデを多数刺繍しており、躍動感に満ちています。模様はムカデをメインとしており、下の三段はそれぞれ蝶々や小型のムカデなどで、ミャオ族の伝統的で典型的な模様です。
刺繍には、竜、または雄の水牛に乗った人間の模様が最も多く見られ、この民族の勇ましさと生活を楽しむ趣向が表されています。ミャオ族の民間芸術には、竜に跨り、竜を調教する図案があります。これは竜をいたわり怖がらない気持ちが表されています。図にある刺繍は、袖の縁に施された装飾で、蝶々、鳥、人間、竜の体をした人間の頭の模様などがあります。図の真ん中にある大きめの模様は鳳のデザインのようであり、横たわっている人間の形のようであり、魚にも似ています。蝶々の形は誇張され、形より意思表現に重点を置いていることが伺えます。色彩では黒をベースに、赤を主としており、白、緑が使われ、ダイナミックかつ躍動的に表され、ビジュアル的でもあります。