この古い楽器は14世紀ごろから徐々に廃れ、結局は姿を消してしまい、現在は昔の壁画などでしかその姿を見られなくなってしまった。そこで、箜篌を復活させるため、1950年代から中国の音楽関係者や楽器製作者などが多くの研究を行ない、古い文献や保存されてきた古代の壁画に描かれている形を参考に、数種類の箜篌を試作した。た。しかし、これらの箜篌はいずれも完全な復元ではなく、今日まで正確に伝承されることは出来かった。
1980年代に初めて新型の箜篌(雁柱箜篌)が誕生する。構造が完璧で、科学的な音響面や民族の特色を併せ持っていることから、実践的に広く活用されるようになった。
古代愛用された箜篌には、横式箜篌と縦式箜篌の二種類がある。新型の雁柱箜篌は縦式箜篌の形を元に開発されたもの。形はハープに良く似ている。違いは二列に弦が張られ、一列に36の弦が人文字の弦柱によって押さえてある。張り方が空を飛ぶ大雁の群によく似ていることから「雁柱箜篌」という名前が付けられたと言われる。
雁柱箜篌の音色は柔らかで澄んでおり、音域も非常に広いため、表現力がとても豊かである。民族風の曲を演奏することができるだけでなく、ハープ曲の演奏にも適している。左右両端に同音の弦が張られているため、演奏するにあたって様々な便利性を持っているほか、この1台でハープ2台分の演奏を同時にすることが可能。これは他のどの楽器にも無い特徴で、そのほかにも弦を弾く時の手のすべらせ方、振動など、演奏の手法でも特別の技を必要とするのも特徴の一つとされている。