しかしスサノオだけは海を治めることをせず、ヒゲが伸びて胸元にまで達する年齢になっても泣き喚いていました。その喚きっぷりは物凄く、青い山を枯れ木の山にしてしまい、川や海は水が枯れてしまうほど。おまけに喚き声が夏場にむらがるハエのように周囲に充満し、あらゆる災難がこれでもかとばかりに起こったのです。
イザナギはスサノオに尋ねます。
「どうして泣き喚いてばかりいて、海を治めないのだい?」
するとスサノオはこう答えました。
「私は亡き母が住む黄泉の国に行って、母に会いたいのです」
この答えにイザナギは激怒。
「ならばお前はもうここに住むべきじゃない!」
こう言ってスサノオを追放してしまったのでした。