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アメリカ嫌い09

时间: 2018-10-26    进入日语论坛
核心提示:   牧口さんのこと 世の中に、自分とよく似た人間が三人いる、といわれる。だとすれば牧口一二《まきぐちいちじ》さんは、わ
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    牧口さんのこと
 
 
 世の中に、自分とよく似た人間が三人いる、といわれる。だとすれば牧口一二《まきぐちいちじ》さんは、わたしに似た三人のうちの一人だ。(わたしが牧口さんに似ているというべきだろうが)
 ときどき講演などで、ごいっしょするが、それをいって二人立つと聴衆は大きくうなずいて笑い転げているから、じっさいよく似ているのだろう。
 人柄はちょっと違う。
 無欲で、あんなエエ人、ちょっとおらんでェというのが牧口さんの方で、わたしは割とひとに冷たく欲深い。
 牧口さんは大阪の「障害者」運動の顔みたいな人だ。人々から、マキさん、マキさんと慕われている。
 本業(グラフィックデザイナー)を、うっちゃっておいて、松葉づえと帽子とウエストバッグの三点セットのかっこうよろしく、乞《こ》われると全国どこへでも出かけていって、子どもたちに「障害」の話をしている。これがメチャ面白く、型破りだ。
 
「オッチャン、足どないしたん?」「オッチャン、足あるん?」「お尻《しり》、なんで曲がってんの?」
 子どもは遠慮がない。
 牧口さんの文章によると、こうなる。
 
「オッチャン、どっちの足がわるいの?」と二年生の女の子が尋ねてきた。「さぁ、どっちかな?」「そのブラブラしてる右のほうがわるいんやろ」「そう、でもさ、この右足がなにかわるいことでもしたのかな?」アッ? という表情になったその子は、しばらく考えて……「動かへんかったら、わるいこともでけへんのになァ……?」と、つぶやいた。これもまた、ステキな表現である。すでに子どもたちにも「足がわるい、目がわるい、耳がわるい……」という言葉がすんなり入り込んでいて、ボクのいじわるな問いにハッと気づいてくれたのだった。子どもたちの感性は、なぜにこうも透き通っているのだろう。
 
 牧口さんのような人が教師だったら、どんなにいいだろうと思ってしまう。
 押しつけないで、引き出し、感じとらせ、気づかせる。そして自分も、ちゃんと子どもから学んでいる。
 牧口さんの発想、行動はすべてこの調子である。
阪神・淡路大震災が起きた。いちばんつらい目に遭い、救援の手もあとまわしになるのは被災「障害者」である。
 牧口さんらは「ゆめ・風・10億円基金」をスタートさせた。
 ——小さな、だけど確かな力をいっぱい集めてお金をつくるから使《つこ》うて! 人から人へと熱い想いをひろげて、どしどしお金を集めるから、どんどん使うてええんよ!
 だいじょうぶやって、なんとかなる! なんとかせなアカンもんなぁ……
 一人が十年間一万円、一年では千円、月なら百円足らず、という考えはすごい。十万人が賛成してくれれば夢は夢でなくなる。
 こんど牧口さんは『ちがうことこそええこっちゃ』(NHK出版)という本を出した。そこにこんな話が山ほど詰まっている。お買い得です。(「ゆめ・風・10億円基金」=電話〇六−六三二四−七七〇二)
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