7.突然、訪れる至副感
あなたはどんな時に幸せを感じるだろう?
恋人と一緒にいるとき、好きな音楽を聴いているとき、おいしい料理を食べているとき、踊っているとき、趣味にほっとうしているとき…
まあ、人によって、どんなことに幸せを感じるかは、違うのが当然かもしれない。
アメリカのある心理学者は、人がどんな時に一番幸せを感じるかを調べるために、アンケート調査を行った。
それによると、音楽を聞いているときや、ドライブをしているときと答えた人が最も多かったと言う。
音楽もドライブも、日常の時間の流れから外れる体験である。しかし、幸せを感じるのに、必ず日常から外れなければならないと言うことはない。
そのアンケートに次のような回答を送ってよこした三十代の主婦がいる。
「朝日が射し込んでくるダイニンゲのテーブルを囲んで、夫と子供達が私の作った朝食を食べていました。毎朝見る、見慣れているはずの光景でしたが、その日はなぜか違っていました。子供たちの清潔な身なり、生き生きとした顔、光を受けて輝く食器、夫のほころんだ顔…そういったものを見ているうちに、突然、おなかの底から至副官が込み上げてきたんです。私はそれ以上にないほど幸せでした。」
人が幸せになるのに、条件などないのだ。