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象潟

时间: 2017-12-05    进入日语论坛
核心提示:原文江山水陸(こうざんすいりく)の風光(ふうこう)数を尽して、今象潟(きさがた)に方寸(ほうすん)を責(せむ)。酒田の湊
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原文
江山水陸(こうざんすいりく)の風光(ふうこう)数を尽して、今象潟(きさがた)に方寸(ほうすん)を責(せむ)。酒田の湊より東北の方、山を越、礒(いそ)を伝ひ、いさごをふみて其際(そのさい)十里、日影やゝかたぶく比(ころ)、汐風(しおかぜ)真砂(まさご)を吹上、雨朦朧(もうろう)として鳥海(ちょうかい)の山かくる。闇中(あんちゅう)に莫作(もさく)して「雨も又奇(き)也(なり)」とせば、雨後の晴色(せいしき)又頼母敷(たのもしき)と、蜑(あま)の苫屋(とまや)に膝をいれて、雨の晴(はるる)を待。其朝(そのあした)天能(よく)霽(はれ)て、朝日花やかにさし出る程に、象潟に舟をうかぶ。先(まず)能因島に舟をよせて、三年幽居の跡をとぶらひ、むかふの岸に舟をあがれば、「花の上こぐ」とよまれし桜の老木、西行法師の記念(かたみ)をのこす。江上(こうしょう)に御陵(みささぎ)あり。神功皇宮(じんぐうこうぐう)の御墓と云。寺を干満珠寺(かんまんじゅじ)と云。此処(このところ)に行幸(ぎょうこう)ありし事いまだ聞ず。いかなる事にや。此寺の方丈に座して簾を捲(まけ)ば、風景一眼の中(うち)に尽て、南に鳥海、天をさゝえ、其陰うつりて江(え)にあり。西はむやゝの関、路をかぎり、東に堤を築て、秋田にかよふ道遙(はるか)に、海北にかまえて、浪打入る所を汐こしと云。江の縦横一里ばかり、俤(おもかげ)松島にかよひて、又異なり。松島は笑ふが如く、象潟はうらむがごとし。寂しさに悲しみをくはえて、地勢(ちせい)魂をなやますに似たり。
 
象潟や雨に西施がねぶの花
 
汐越や鶴はぎぬれて海涼し
 
祭礼
 
象潟や料理なにくふ神祭り 曾良
 
蜑(あま)の家や戸板を敷て夕涼 みのの国の住人低耳
 
岩上に雎鳩(みさご)の巣を見る
 
波こえぬ契りありてやみさごの巣 曾良
 
 
現代語訳
海や山、河川など景色のいいところをこれまで見てきて、いよいよ旅の当初の目的の一つである象潟に向けて、心を急き立てられるのだった。
 
象潟は酒田の港から東北の方角にある。山を越え、磯を伝い、砂浜を歩いて十里ほど進む。
 
太陽が少し傾く頃だ。汐風が浜辺の砂を吹き上げており、雨も降っているので景色がぼんやり雲って、鳥海山の姿も隠れてしまった。
 
暗闇の中をあてずっぽうに進む。「雨もまた趣深いものだ」と中国の詩の文句を意識して、雨が上がったらさぞ晴れ渡ってキレイだろうと期待をかけ、漁師の仮屋に入れさせてもらい、雨が晴れるのを待った。
 
次の朝、空が晴れ渡り、朝日がはなやかに輝いていたので、象潟に舟を浮かべることにする。
 
まず能因法師ゆかりの能因島に舟を寄せ、法師が三年間ひっそり住まったという庵の跡を訪ねる。
 
それから反対側の岸に舟をつけて島に上陸すると、西行法師が「花の上こぐ」と詠んだ桜の老木が残っている。
 
水辺に御陵がある。神功后宮の墓ということだ。寺の名前を干満珠寺という。しかし神功后宮がこの地に行幸したという話は今まで聞いたことがない。どういうことなのだろう。
 
この寺で座敷に通してもらい、すだれを巻き上げて眺めると、風景が一眼の下に見渡せる。
 
南には鳥海山が天を支えるようにそびえており、その影を潟海に落としている。西に見えるはむやむやの関があり道をさえぎっている。東には堤防が築かれていて、秋田まではるかな道がその上を続いている。
 
北側には海がかまえていて、潟の内に波が入りこむあたりを潮越という。江の内は縦横一里ほどだ。その景色は松島に似ているが、同時にまったく異なる。松島は楽しげに笑っているようだし、象潟は深い憂愁に沈んでいるようなのだ。
 
寂しさに悲しみまで加わってきて、その土地の有様は美女が深い憂いをたたえてうつむいているように見える。
 
象潟や雨に西施がねぶの花
(意味)象潟の海辺に合歓の花が雨にしおたれているさまは、伝承にある中国の美女、西施がしっとりうつむいているさまを想像させる。蘇東坡(蘇拭)の詩「飲湖上初晴後雨(湖上に飲む、初め晴れ後雨ふる)」を踏まえる。「西湖をもって西子に比せんと欲すれば 淡粧濃沫総て相宜し」
 
「飲湖上初晴後雨」蘇東坡
↑こちらで朗読しています。
 
汐越や鶴はぎぬれて海涼し
(意味)汐越の浅瀬に鶴が舞い降りた。その脛が海の水に濡れて、いかにも涼しげだ。衣が短くすねが長く見えているのを「鶴はぎ」と言うが、まさに鶴はぎだなぁと感心した。
 
ちょうど熊野権現のお祭りに出くわした。
 
象潟や料理なに食ふ神祭り 曾良
(意味)熊野権現のお祭りにでくわす。海辺の象潟であるのに、熊野信仰によって魚を食べるのを禁じられ、何を食べるのだろうか。(あるいは「人々はお祭りのご馳走に、何を食べるのだろうか」)
 
蜑の家や戸板を敷て夕涼 みのの国の住人低耳
(意味)漁師たちの家では、戸板を敷き並べて縁台のかわりにして、夕涼みを楽しんでいる。風流なことだ。
 
岩の上にみさごが巣を作っているのを見て、
 
波こえぬ契りありてやみさごの巣 曾良
(意味)岩場の、いかにも波が飛びかかってきそうな危うい位置にみさごの巣がある。古歌に「末の松山波こさじとは」とあるが、強い絆で結ばれたみさごの夫婦なんだろう。
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