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山中

时间: 2017-12-05    进入日语论坛
核心提示:原文温泉に浴す。其功有明に次と云。山中や菊はたおらぬ湯の匂あるじとする物は、久米之助(くめのすけ)とて、いまだ小童(しょ
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原文
温泉に浴す。其功有明に次と云。
 
山中や菊はたおらぬ湯の匂
 
あるじとする物は、久米之助(くめのすけ)とて、いまだ小童(しょうどう)也(なり)。かれが父俳諧を好み、洛(らく)の貞室(ていしつ)、若輩のむかし、爰(ここ)に来りし比(ころ)、風雅に辱しめられて、洛に帰て貞徳(ていとく)の門人となつて世にしらる。功名の後、此一村(このいっそん)判詞(はんじ)の料(りょう)を請ずと云(いう)。今更むかし語とはなりぬ。
 
曾良は腹を病て、伊勢の国長島と云(いう)所にゆかりあれば、先立て行に、
 
行ゝて(ゆきゆきて)たふれ伏とも萩の原 曾良
 
と書置たり。行ものゝ悲しみ、残るものゝうらみ、隻鳧(せきふ)のわかれて雲にまよふがごとし。予も又、
 
今日よりや書付消さん笠の露
 
 
現代語訳
山中温泉に入る。その効用は、有馬温泉に次ぐという。
 
山中や菊はたおらぬ湯の匂
(意味)菊の露を飲んで七百歳まで生きたという菊児童の伝説があるが、ここ山中では菊の力によらずとも、この湯の香りを吸っていると十分に長寿のききめがありそうだ。 
 
主人にあたるものは久米之助といって、いまだ少年である。その父は俳諧をたしなむ人だ。
 
京都の安原貞室がまだ若い頃、ここに来た時俳諧の席で恥をかいたことがある。貞室はその経験をばねにして、京都に帰って松永貞徳に入門し、ついには世に知られる立派な俳諧師となった。
 
名声が上がった後も、貞室は(自分を奮起させてくれたこの地に感謝して)俳諧の添削料を受けなかったという。こんな話ももう昔のこととなってしまった。
 
曾良は腹をわずらって、伊勢の長島というところに親戚がいるので、そこを頼って一足先に出発した。
 
行行てたふれ伏とも萩の原 曾良
(意味)このまま行けるところまで行って、最期は萩の原で倒れ、旅の途上で死のう。それくらいの、旅にかける志である。
 
行く者の悲しみ、残る者の無念さ、二羽で飛んでいた鳥が離れ離れになって、雲の間に行き先を失うようなものである。私も句を詠んだ。
 
今日よりや書付消さん笠の露
(意味)ずっと旅を続けてきた曾良とはここで別れ、これからは一人道を行くことになる。笠に書いた「同行二人」の字も消すことにしよう。笠にかかる露は秋の露か、それとも私の涙か。
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