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白夜行3-4

时间: 2017-01-17    进入日语论坛
核心提示: 少し酔っていた。一人で飲んだのは何年ぶりだろうと考えた。答えは出なかった。それほど久しぶりということだ。情けないことに
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 少し酔っていた。一人で飲んだのは何年ぶりだろうと考えた。答えは出なかった。それほど久しぶりということだ。情けないことに、声をかけてくる男は一人もいなかった。
 アパートに帰り、部屋の明かりをつけると、奥のガラス戸に自分の姿が映った。カーテンが開けっ放しになっているからだ。西口|奈美江《なみえ》は気持ちが重たくなるのを感じながらガラス戸に近づいた。ジーンズの短いスカート、ジャケット、その下に着た赤いTシャツ。少しも似合っていない。昔の服を引っ張り出し、無理をして若作りをしてみても、ただ見苦しいだけだ。あの高校生たちも、きっとそう思っていたに違いない。
 カーテンを閉め、服を乱暴に脱ぎ捨てた。下着姿になってから、ドレッサーの前に座り込んだ。
 艶のない肌をした女の顔がある。目にも輝きといえるものはなさそうだ。漫然と毎日を送り、漫然と年老いていく女の顔だ。
 バッグを引き寄せ、中から煙草とライターを取り出した。火をつけ、ドレッサーに向かって煙を吹きかける。鏡に映った彼女の顔が、一瞬、紗《しゃ》がかかったようになった。いつもこんなふうに見えていたらいいのにと彼女は思った。小皺が見えなくなるからだ。
 先程マンションで見せられた淫《みだ》らな映像が脳裏に蘇《よみがえ》ってくる。
「一度だけ付き合ってみない? きっと後悔しないと思う。かわりばえのしない毎日を送ってたって仕方がないでしょう? 大丈夫。絶対に楽しいから。たまには若い男の子と接しないと、ますます老け込んじゃうわよ」
 職場の先輩だった川田和子から誘われたのは一昨日のことだ。通常ならば、迷いなく断っていただろう。しかし奈美江の背中を押すものがあった。それは、このへんで自分自身を変えなければ一生後悔するのではないか、という思いだった。ためらいながらも、彼女は川田和子の誘いに乗っていた。和子は妙にはしゃいでいた。
 だが結局奈美江は逃げだしてしまった。あの異常な世界に浸ることができなかった。高校生たちに対して女の匂いを発散している和子たちの姿態を目にし、吐き気に似た不快感を覚えてしまった。
 あれが悪いとは思わない。あそこに身を置くことで心身をリフレッシュできる女性もいるのだろう。しかし自分はその種類の人間ではないと奈美江は思った。
 壁に貼ったカレンダーに目を向ける。明日からまた仕事だ。つまらないことで貴重な休暇を使ってしまった。西口さんは昨日はデートだったの――嫌味を込めて、そんなふうに尋ねてくる上司や後輩たちの表情を想像すると、気持ちが重くなった。明日は誰よりも早く出勤しよう。そして仕事にかかるのだ。そうすれば話しかけづらくなるに違いない。目覚まし時計のアラームを、いつもより早めにセットして――。
 時計?
 ブラシを取り、髪を二、三度とかしたところで奈美江は手を止めた。あることに気づいたからだ。はっとして傍らのバッグを開け、中を引っかき回した。しかし目的のものは見つからなかった。
 しまった――。
 奈美江は唇を噛んだ。どうやら忘れてきたらしい。しかも、まずい場所に。
 腕時計だった。高価なものではない。だからこそ気軽に、どこへでもはめていってしまう。いつ紛失したってかまわない、そう思ってきた。すると不思議なもので、いつまでもなくさない。そのうちに愛着が湧いてきた――そういう時計だった。
 トイレに入った後だ、と思い出した。洗面所で手を洗う時、いつもの癖で無意識に外してしまった。そのまま忘れてきたのだ。
 彼女は電話の受話器に手を伸ばした。川田和子に確かめてみるしかなかった。彼女を介さなければ、あのリョウとかいう青年に連絡をとれない。
 もちろん気乗りはしなかった。逃げだしたことについて和子から何かいわれそうだった。しかしこのままにはしておけない。バッグからアドレス帳を取り出し、番号を確認しながらダイヤルを回した。
 幸い和子は帰っていた。電話をかけてきたのが奈美江だと知ると、「あらあ」と意外そうな声を出した。幾分|揶揄《やゆ》するような響きもあった。
「さっきはすみません」と奈美江はいった。「何だかちょっと、その……気分が乗らなくなっちゃったんです」
「いいの、いいの」和子の口調は軽かった。「あなたには少し無理だったかもね。ごめんなさい。あたしのほうが謝らなきゃね」
 あの程度のことで逃げるなんて意気地なしね――そういっているように奈美江には感じられた。
「あの、じつは――」
 奈美江は時計のことを切り出した。洗面台に忘れてきたように思うのだが、気づかなかったか、と。
 しかし和子の答えは、「見なかったわねえ」というものだった。
「誰かが気づいたなら、たぶんあたしにいったと思うの。そうすれば、預かってたんだけどねえ」
「そうですか……」
「たしかにあの部屋に忘れてきたの? 何なら、調べてもらおうか?」
「いえ、あの、とりあえずそれは結構です。あの部屋ではなかったかもしれないので、もう少しほかの場所を探してみます」
「そう? じゃあ、もし見つからなかったらいってちょうだい」
「はい。どうも夜分すみませんでした」
 奈美江は早々に電話を切った。大きなため息が出た。どうしよう――。
 時計のことなど諦めてしまえば話は早い。元々、なくしてもかまわないと思い続けてきたのだ。今回にしても、忘れてきた場所がほかのところであったなら、迷いなく諦めただろう。
 しかし事情が違っていた。あの場所に、あの時計を忘れてきたのはまずかった。ほかの時計なら、何の問題もなかった。奈美江は激しく後悔した。あんなところへ行くのに、なぜあの時計をはめていったのだろう。時計なんて、ほかにも持っていたのに。
 何度か煙草を吸った後、灰皿の中でその火を消した。じっと空間の一点を見つめる。
 ひとつだけ方法があった。奈美江はその方法が無謀でないかどうかを頭の中で吟味した。すると、さほど難しくないのではないか、という気になってきた。少なくとも、危険だとは思えなかった。
 ドレッサーの上に置かれた時計を見た。十時半を少し回ったところだった。
 十一時過ぎに奈美江は部屋を出た。人目につかないためには、なるべく遅いほうがいい。しかし遅すぎては地下鉄の終電に間に合わなくなるおそれがあった。彼女のアパートの最寄り駅は四つ橋線花園町駅で、西長堀駅に行くにはなんばで乗り換えなければならない。
 地下鉄はすいていた。座ると向かい側のガラスに彼女の姿が映った。黒縁の眼鏡をかけ、トレーナーにデニムのパンツといった色気のない格好をした、明らかに三十代半ばの女がそこにいた。このほうがやっぱり落ち着く、と彼女は思った。
 西長堀に着くと、昼間川田和子と共に通った道を歩いた。和子は浮き浮きしていた。どんな男の子が来るか楽しみ、ともいっていた。奈美江は調子を合わせつつも、あの時すでに気持ちが臆《おく》しているのを自覚していた。
 殆ど迷うことなく、例のマンションに着いた。階段を三階まで上がり、三〇四号室の前に立った。まずインターホンのボタンを押してみる。心臓の鼓動が激しくなった。
 だが応答はなかった。ためしにもう一度チャイムを鳴らしたが、結果は同じだった。
 ほっとすると同時に緊張した。奈美江は周囲を見ながら、ドアのすぐ横にある水道のメーターボックスの扉を開いた。昼間、川田和子が水道管の陰から合鍵を取るのを見ていた。
「馴染み客になると、合鍵の場所を教えてくれるのよね」和子は嬉しそうにいっていた。
 奈美江が同じところに手を伸ばすと、指先に触れるものがあった。思わず安堵の吐息が漏れた。
 合鍵を使って錠を外し、おそるおそるドアを開けた。室内には明かりがついていた。だが玄関に靴はない。やはり誰もいないようだ。それでも彼女は物音をたてぬよう、慎重に部屋に上がり込んだ。
 昼間は片づいていたダイニングテーブルの上が散らかっていた。奈美江にはよくわからなかったが、細かい電気部品や計測器のように見えた。ステレオか、それともあの映写機の修理でもしているのだろうかと彼女は思った。
 いずれにしても、誰かが何かをしている途中のようだ。彼女は少し焦った。その誰かが戻ってくる前に時計を見つけねばならない。
 彼女は洗面所に行き、小さな洗面台の前を探した。ところがたしかに置いたはずの場所に腕時計はなかった。誰かが気づいたということか。ならばなぜ川田和子に預けなかったのか。
 不安になってきた。もしかすると、高校生の一人が時計を見つけたのではないか。その彼はわざと誰にもいわなかった。こっそり自分のものにするためだ。質屋にでも持っていけば、いくらかにはなるだろうと考えたかもしれない。
 全身が熱くなるのを奈美江は感じた。どうすればいいだろう。
 彼女は冷静になろうとし、まず息を整えた。自分の勘違いである可能性について考えた。洗面所に忘れたと思ったが、それは錯覚かもしれない。外した腕時計を手に持って部屋に戻り、何気なくそのへんに置いたのかもしれない。
 彼女は洗面所を出て、和室に足を踏み入れた。畳の上は奇麗に片づいている。あのリョウという青年が片づけたのだろうか。彼は一体何者だろう。
 昼間は取り外されていた襖がはめられていたので、ベッドを置いてあった部屋が見えなかった。彼女はゆっくりと襖を開いた。
 まず奇妙なものが目に飛び込んできた。それはテレビ画面だ。中央にテレビのようなものが置かれ、そこに何か映っているのだ。ふつうの映像ではない。彼女は顔を近づけた。
 これは――。
 いくつもの幾何学模様が画面上で動いていた。最初は単純に模様が変化しているだけかと思ったが、そうではなかった。よく見ると中央にロケットの形をしたものがあり、それが前方から来る円形や四角形の障害物をよけながら前に進もうとしているのだった。
 テレビゲームの一種だろうかと奈美江は思った。彼女も何度かインベーダーゲームをしたことはある。
 画面の動きはインベーダーゲームほどスムーズなものではなかった。しかし次々に襲ってくる障害物を見事にかわすロケットの動きには、つい見とれてしまうものがあった。事実彼女は見とれていたのだろう。だから小さな物音にも気づかなかった。
「気に入ったようやな」
 突然後ろから声をかけられ、奈美江は小さな悲鳴をあげた。振り返るとリョウと呼ばれた青年が立っていた。
 
「あっ、ごめんなさい。あの、忘れ物をしたものだから、あの、合鍵のことは川田さんから聞いていて……」奈美江は狼狽し、しどろもどろになった。
 しかし彼は彼女の言葉など聞いていないようだった。黙って彼女をどかせると、画面の前で胡座をかいた。さらに傍らに置いてあったキーボードを膝の上に載せ、両手の指を使っていくつかのキーを叩いた。
 たちまち画面上の動きが変わった。障害物の動きが速く、多彩になった。リョウはキーを叩き続ける。ロケットが障害物を次々とかわしていった。
 奈美江にも、彼がロケットの動きを操作しているのだとのみ込めた。先程までは自動的に動いていたロケットが、今は彼の指先によって、前後左右に動かされている。
 やがて円形の障害物がロケットに激突した。ロケットは大きな×印に変わり、続いて画面上に『GAME OVER』の文字が出た。
 彼は舌打ちをした。「やっぱり速度が遅い。ここらが限界かな」
 何のことをいっているのか、無論奈美江にはわからない。それよりも、一刻も早くこの場から逃れたかった。
「あの、あたし、帰るから」立ち上がりながら彼女はいった。
 すると背中を向けたまま、リョウが訊いてきた。「忘れ物は見つかった?」
「ああ……ここじゃなかったみたい。ごめんなさい」
「そう」
「じゃ、おやすみなさい」
 奈美江は身体の向きを変え、歩きだした。その時、後ろから彼の声が聞こえた。
「勤続十年記念、大都銀行昭和支店……か。堅い仕事をしてるんやな」
 彼女は足を止めた。振り返るのと、彼が立ち上がるのが、ほぼ同時だった。
 彼が彼女の顔の前に右手を出した。その手に腕時計がぶら下がっていた。
「これやろ、忘れ物は」
 一瞬とぼけようかと思ったが、彼女はそれを受け取っていた。「……ありがとう」
 リョウは黙ってダイニングテーブルのほうへ歩いていった。テーブルの上にはスーパーの袋が置いてあった。彼は椅子に座り、袋の中のものを取り出した。缶ビールが二つと折り詰め弁当が一つだった。
「晩御飯?」と彼女は訊いた。
 彼は答えなかった。代わりに何かに気づいたように缶ビールの一つを持ち上げた。「飲むか?」
「あ……いらない」
「そうか」彼はそのまま缶ビールの蓋を開けた。白い泡の粒が飛んだ。あふれる泡を受けるように彼はビールを飲んだ。彼女には全く用がないように見えた。
「あの……怒らないの?」奈美江は訊いてみた。「勝手に入ったこと」
 リョウは彼女をじろりと見上げた。
「まあええ」そして弁当の包みを開け始めた。
 奈美江としては、このまま部屋を出てしまうこともできた。しかし何かがそれをためらわせた。こちらの職場が知られているというのに、自分はこの青年のことを何も知らないという思いもあった。だがそれ以上に、このまま出ていったのでは惨めな気持ちが残るだけだと思った。
「途中で抜けたことは怒ってないの?」彼女は訊いてみた。
「途中で? ああ……」何のことか彼はわかったようだ。「別に。たまにあることや」
「怖くなったわけじゃないの。元々あたし、さほど乗り気じゃなかったんだけど、強引に誘われて」
 彼女の言葉の途中から、彼は箸《はし》を持った手を振り始めていた。
「面倒臭い話するな。どうでもええ」
 返す言葉がなく、奈美江は唇を結んで青年の顔を見返した。
 彼は彼女を無視し、弁当を食べ始めた。カツの入った弁当だった。
「ビール、もらってもいい?」奈美江は訊いた。
 勝手にしろ、というように彼は顎をしゃくった。彼女は彼の向かい側に座ると、缶ビールの蓋を開け、ごくりと飲んだ。
「あなた、ここに住んでるの?」
 彼は無言で弁当を食べ続けている。
「御両親とは一緒に住まないの?」彼女はさらに訊いた。
「急に質問責めやな」彼は鼻で笑った。答える気はなさそうだ。
「何のためにあんなバイトをしてるの? お金が目的?」
「ほかに何がある?」
「あなたはセックスしないの?」
「必要な時には参加する。今日も、もしおねえさんが帰らへんかったら、俺が相手をしてた」
「あたしみたいなおばさんとしなくて済んで助かった?」
「収入が減ってがっかりや」
「生意気。どうせ子供の遊びのくせに」
「何やて?」リョウがじろりと睨んできた。「もう一回いうてみい」
 奈美江は唾を飲み込んだ。予期しなかった凄みが彼の目に宿っている。しかしそれに気圧《けお》されたように思われるは癪《しゃく》だった。
「奥様方の玩具《おもちゃ》になって喜んでるだけでしょ。相手を満足させる前に出しちゃったりするんじゃないの」彼女はいった。
 リョウは答えず、ビールを飲んだ。だがその缶をテーブルに置いたと思った瞬間、彼は立ち上がり、獣のような素早さで彼女に飛びかかってきた。
「やめてっ、何するのよ」
 奈美江は和室まで引きずられ、そのまま倒された。畳に背中を打ち、一瞬息ができなくなった。
 次に起き上がろうとした時、再び彼が襲ってきた。すでにジーンズのジッパーは下ろされている。
「出してみろよ」奈美江の顔を両手で挟み、ペニスをその前に突き出しながら彼はいった。「手でも口でも使《つこ》てみい。下の口を使《つこ》てもええぞ。すぐに出ると思てるんやろ? そしたら出してみろよ」
 彼のペニスはみるみるうちに勃起し、脈動を始めた。血管が浮いているのがわかる。奈美江は両手で彼の太股を押し、同時に顔をそむけようとした。
「どないした。子供のちんぽにびびってるんか」
 奈美江は目を閉じ、呻《うめ》くようにいった。「やめて……ごめんなさい」
 数秒後、彼女は身体を突き飛ばされていた。見上げると、彼がジッパーを上げながらダイニングテーブルに戻るところだった。椅子に座り、さっきと同じように弁当を食べ始めた。箸の動きに苛立ちが表れていた。
 奈美江は息を整え、乱れた髪を後ろに撫《な》でつけた。鼓動は依然として激しい。
 隣の部屋に置いてある例のテレビ画面が目に入った。『GAME OVER』の文字が表示されたままだ。
「どうして……」彼女は口を開いた。「ほかにいくらでもバイトはあると思うのに」
「俺は単に、売れるものを売ってるだけや」
「売れるもの……ね」奈美江は立ち上がり、歩きだした。歩きながら頭を振った。「あたしにはわからないな。やっぱり、もうおばさんね」
 テーブルの前を通り過ぎ、玄関に向かおうとした時だった。
「おねえさん」彼が声をかけてきた。
 奈美江は靴を履こうと片足を浮かせていた。その姿勢のまま振り返った。
「面白い話がある。一口乗れへんか」
「面白い話?」
「ああ」彼は頷いた。「売れるはずのものを売る話や」
 
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