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白夜行13-7

时间: 2017-01-17    进入日语论坛
核心提示: 篠塚一成は舌打ちをした。ちょっと失礼、といって彼は席を立った。 低い声でぼそぼそと何かをしゃべった後、彼はすぐに戻って
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 篠塚一成は舌打ちをした。ちょっと失礼、といって彼は席を立った。
 低い声でぼそぼそと何かをしゃべった後、彼はすぐに戻ってきた。「すみませんでした」
「お時間は大丈夫ですか」
「ええ、平気です。今の電話は会社の仕事ではなく、僕が個人的に調査している件でして」
「調査?」
「ええ」一成は頷いてから、ほんの少し逡巡の気配を見せたが、やがて口を開いた。「先程笹垣さんは僕に対して、出世しましたね、とおっしゃいましたよね」
 はあ、と笹垣は答える。何かいけないことをいったのかと思った。
「じつはね、これは一種の左遷なんです」
「左遷? まさか」笹垣は笑った。「篠塚一族の御曹司が」
 だが一成は笑わなかった。
「笹垣さんはユニックス製薬という会社を御存じですね」
「知ってますけど」
「去年から今年にかけて、じつに奇妙なことが続いたんです。うちとユニックスとは、かなり多くの分野で競合しているんですが、いくつかの研究に関して、篠塚薬品の社内情報があっちに漏れている節があるのです」
「えっ、そんなことが」
「ユニックスからの内部告発で明らかになったことです。もっともユニックス自体は認めていませんがね」そういって一成は薄笑いを浮かべた。
「研究業務に携わっていると、いろいろ複雑なこともあるんですなあ。しかし、なぜ篠塚さんが?」
「そのユニックスからの内部告発によると、情報提供者は僕ということになっているらしいんですよ」
 一成の言葉に、笹垣は目を剥いた。「嘘でしょう?」
「嘘だろ、ですよ。全く」彼は頭をゆらゆらと振った。「何が何だか、さっぱりわけがわかりません。その内部告発者の正体についても、はっきりしたことはわかっていないんです。電話と郵便だけで接触してきましたからね。ただ、篠塚薬品の内部情報が持ち出されているのはたしかなようでした。告発者が送ってきた資料を見て、研究開発の連中は青くなっていました」
「しかし篠塚さんがそんなことをするはずがない」
「何者かに罠《わな》にはめられたということでしょう」
「お心当たりは?」
「ありません」一成は即座に否定した。
「そういうことでしたか。しかし、それが原因で左遷というのは、どうにも……」笹垣は首を捻った。
「役員たちも、まさかとは思ってくれているようでした。しかしこうした問題が起きると、会社としては何らかのアクションをとらねばなりませんからね。それに、罠にはめられるということは、それなりの原因が当人にあるからだという意見もありました」
 笹垣はいうべき言葉が思いつかず、ただ唸った。
「それからもう一つ」といって一成は指を一本立てた。「役員の中に一人、僕のことを遠くにやりたいと思っている人間がいました」
「それは……」
「従兄の康晴です」
「ああ……」そういうことか、と笹垣は合点がいった。
「自分の婚約者に対してあれこれいう邪魔者を追い出す、いいチャンスだと思ったようです。まあ僕には一応、この異動は一時的なもので、すぐに呼び戻すといってくれましたがね。一体いつのことになるやら」
「そうしますと、調査というのは」
 笹垣の問いに、一成は厳しい顔つきに戻った。
「ええ、内部情報がどのようにして漏れたのかを調べているわけです」
「何かわかりましたか」
「ある程度は」と一成はいった。「犯人はコンピュータに侵入したようです」
「コンピュータに?」
「篠塚薬品ではコンピュータ化が進んでいましてね、社内すべてがネットワークで繋《つな》がれているだけでなく、社外のいくつかの研究施設とも常時データのやりとりができるようになっているんです。どうやらそのネットに侵入された模様です。いわゆるハッカーというやつです」
 笹垣はどう答えていいかわからず黙り込んだ。苦手な分野の話だった。
 一成はそんな元刑事の内心を悟ったようだ。口元に笑みを浮かべていった。
「難しく考えなくてもいいです。要するに、電話回線を通じて篠塚薬品のコンピュータに悪さをしたということです。これまでの調査で、どこから入ってきたかは、大体判明しました。帝都大学薬学部のコンピュータが中継点になっていました。つまり犯人は一旦帝都大のシステムに侵入し、改めてそこから篠塚薬品のコンピュータに入り込んだわけです。ただし、犯人がどこから帝都大のシステムに入ったかを突き止めるのは至難の業でしょうけどね」
「帝都大学……ですか」
 どこかで聞いたような気がした。少し考えて、菅原絵里とのやりとりを思い出した。今枝を訪ねてきた女性客が、帝都大学付属病院の薬剤師だったという話だ。
「薬学部とおっしゃいましたね。すると付属病院の薬剤師なんかも、そのコンピュータを使うんでしょうか」
「ええ。使える体制にはなっているはずです。ただ篠塚薬品のコンピュータが社外の研究施設と繋がっているといっても、すべての情報をオープンにしているわけじゃありません。システムのあちこちに防壁が設けてあって、社外秘などは外部に漏れないようになっているはずなんです。ですから犯人は、コンピュータについて相当な知識を持っている人間ということになります。たぶんプロでしょう」
「コンピュータのプロ、ですか」
 笹垣の頭の中で、何かが引っかかった。コンピュータのプロには、一人だけ心当たりがある。今枝の事務所にやってきたという帝都大付属病院の薬剤師、篠塚一成を罠にかけた謎のハッカー――単なる偶然か。
「どうかしましたか」一成が怪訝《けげん》そうに訊いてきた。
「いや」笹垣は手を振った。「何でもありません」
「変な電話のせいで、話が途切れてしまいましたね」一成は座った状態で背筋を伸ばした。「よろしければ話の続きを」
「ええと、どこまで話しましたかな」
「動機のことです」と一成はいった。「それが彼等の考えの根元になっている、とか」
「そうでしたな」笹垣も姿勢を正した。
 
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