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芥川龍之介歌集:客中恋

时间: 2021-06-06    进入日语论坛
核心提示:客中恋初夏の都大路の夕あかりふたゝび君とゆくよしもがな海は今青きをしばたゝき静に夜を待てるならじか君が家の緋の房長き燈籠
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客中恋


初夏の都大路の夕あかりふたゝび君とゆくよしもがな

海は今青き※(「目+匡」、第3水準1-88-81)をしばたゝき静に夜を待てるならじか

君が家の緋の房長き燈籠も今かほのかに灯しするらむ

都こそかゝる夕はしのばるれ愛宕ほてるも灯をやともすと

黒船のとほき灯にさへ若人は涙落しぬ恋の如くに

幾山河さすらふよりもかなしきは都大路をひとり行くこと

憂しや恋ろまんちつくの少年は日ねもすひとり涙流すも

かなしみは君がしめたる其宵の印度更紗(いんどさらさ)の帯よりや来し

二日月君が小指の爪よりもほのかにさすはあはれなるかな

何をかもさは歎くらむ旅人よ蜜柑畑の棚によりつゝ

ともしびも雨にぬれたる甃石(しきいし)も君送る夜はあはれふかゝり

ときすてし絽の夏帯の水あさぎなまめくまゝに夏や往にけむ

※(ローマ数字VIII、1-13-28) ※(ローマ数字XI、1-13-31) ※(ローマ数字X、1-13-30)※(ローマ数字IV、1-13-24)



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