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少年侦探团-气球的下场(1)

时间: 2021-09-17    进入日语论坛
核心提示:怪軽気球の最後「二十面相、空中にのがる」との報が伝わると、警視庁や各警察署はいうまでもなく、各新聞社の報道陣は、たちまち
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怪軽気球の最後


「二十面相、空中にのがる」との報が伝わると、警視庁や各警察署はいうまでもなく、各新聞社の報道陣は、たちまち色めきだちました。
 時をうつさず、警視庁首脳部の緊急会議がひらかれ、その結果、探照燈によって賊のゆくえをつきとめることになりました。
 まもなく東京付近の空には、十数条の探照燈の光線が入りみだれました。戦争のようなさわぎです。都内の高層建築物の屋上からも、いくつかの探照燈が照らしだされ、警視庁や新聞社のヘリコプターは、夜が明けるのを待ってとびだすために、エンジンをあたためて待機の姿勢をとりました。
 しかし、これほどの大さわぎをしても、黒い軽気球は、どうしても見つけることができませんでした。その夜は、空いちめんに雲が低くたれていましたので、軽気球は雲の中へはいってしまったのかもしれません。けっきょく、せっかくの空中捜索も夜の明けるまでは、なんの効果もなく終わりました。
 ところが、その翌朝のことです。埼玉県熊谷(くまがや)市付近の人々は、夜のうちに晴れわたった青空に、何かまっ黒なゴム風船のようなものがとんでいるのを発見して、たちまち大さわぎをはじめました。
 その朝の新聞が、ゆうべの東京でのできごとを大きく書きたてていたものですから、人々はすぐ黒い風船の正体をさとることができたのです。
 賊の軽気球は、夜中から吹きはじめた東南の風に送られて、夜のうちにここまでただよってきたものにちがいありません。
「二十面相だ。二十面相が空をとんでいるのだ。」
 熊谷市内はもちろん、付近の町や村へも、そういうぶきみな声がひろがっていき、人々は家をからにして、街路へ走りいで、あるいは屋根の上にのぼって、青空にうかぶ黒い風船をながめました。
 空には、かなり強い風が吹いているらしく、軽気球は、ひじょうな速度で、北西の方向にとんでいます。みるみるうちに村を越え、森を越え、熊谷市の上空を通過して、群馬県のほうへととびさっていくのです。
 熊谷市の警察署員は、とびさる風船をながめて、地だんだをふんでくやしがりましたが、いくらくやしがっても、高射砲で射おとすこともできませんし、ヘリコプターをとばして機関銃で射撃するなどということは思いもよりません。ただ手をつかねて空を見まもるほかはないのでした。しかし、このことが電話によって東京に伝えられますと、新聞社は、待ってましたとばかりに、それぞれ所属のヘリコプターに出動を命じました。賊をとらえる望みはなくても、せめて怪軽気球を追跡して、その写真を撮影したり、記事をつくったりして、事件の経過を報道するためです。
 つごう四台のヘリコプターが、相前後して東京の空を出発しました。そして、おそろしいスピードをだして、ちょうど熊谷市と高崎(たかさき)市のなかほどの空で、賊の軽気球に追いついてしまったのです。
 それから、群馬県南部の大空に、ときならぬ空中ページェントがはじまりました。
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