日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页

魔法人形-活着的玩偶

时间: 2021-10-20    进入日语论坛
核心提示:生きた人形 あとに残ったルミちゃんは、白ひげのおじいさんにさそわれて、とうとう、おじいさんの家へいってみることになりまし
(单词翻译:双击或拖选)

生きた人形


 あとに残ったルミちゃんは、白ひげのおじいさんにさそわれて、とうとう、おじいさんの家へいってみることになりました。
「なあに、すぐ近くだよ。公園の外に自動車が待たせてあるから、わけはないよ。晩のごはんまでには、お家へおくってあげるからね。」
 おじいさんは、やさしい声でそんなことをいいました。
 よく考えてみれば、腹話術のおじいさんが、自動車を待たせて、公園のベンチに腰かけているなんて、なんだかへんではありませんか。ルミちゃんは、もっと用心しなければ、いけなかったのです。いくらやさしいおじいさんだって、はじめてあった人につれられていくなんて、いけないことでした。
 しかし、ルミちゃんは、歌をうたったり、歩いたりする人形が見たくて、もう夢中でした。なにも考えているひまもなかったのです。
 おじいさんは、坊や人形をだいて歩きだしました。ルミちゃんはそのあとからついていきます。
 公園の出口に、りっぱな自動車がとまっていて、おじいさんが近づくと、運転手がとびだしてきてドアをひらきました。
 坊や人形を中にはさんで、おじいさんとルミちゃんが、うしろの席に腰かけますと、自動車は、すぐに走りだしました。町かどをあちこちとまがりながら、進んでいきます。もう、ルミちゃんのまったく知らない町です。なんだか、心ぼそくなってきました。
「おじいさん、まだ遠いの?」
「なあに、もうすぐだよ。」
 そんな会話が、なんどもくりかえされましたが、なかなか車はとまりません。さっきおじいさんは、「青山に住んでいる黒沢というものだ。」と名のりました。公園は赤坂見附の近くにあるのですから、青山まで、そんなに遠いはずはありません。自動車は、さっきからもう二十分いじょうも走っていました。ルミちゃんは、ここでまた、うたがってみなければいけなかったのです。ルミちゃんは、おじいさんが青山といったのを聞きもらしたのでしょうか。
 それからまた十分ちかくも走って、やっと自動車がとまりました。なんだか、焼けあとの原っぱのようなさびしいところです。その原っぱの、草のぼうぼうはえた中に、古い一階だての木造の西洋館が立っていました。
「さあ、ここがわたしの家だよ。」
 おじいさんは自動車をおりて、右手で坊や人形をだき、左手でルミちゃんの手をひいて、草の中を歩いていきます。
「ルミちゃん、この坊やもね、ほんとうは歩けるんだよ。いいかい、ほら、ごらん。」
 そういって、右手にだいていた人形を、そっと地面におろしますと、これはどうでしょう。坊や人形は、そのままたおれもしないで、機械じかけのようなへんなかっこうで、ピョコピョコと、歩きだしたではありませんか。
「ルミちゃん、はやくいらっしゃい。こっちだよ。」
 歩きながら、坊や人形がそんなことをいうのです。まるで生きているようです。しかし、これも、おじいさんの腹話術にちがいありません。
 おじいさんは、ポケットから大きなかぎを出して正面のドアをひらき、ふたりの人間と、ひとりの人形が、その中へはいっていきました。そして、入口のドアがパタンと()まったとき、ルミちゃんは、なんだかゾーッと、からだが寒くなってきました。なんともいえない、恐ろしい気がしたのです。こんな気味のわるいところへこなければよかったと、後悔しはじめたのです。
「おじいさん、あたし、もう人形なんか見なくてもいいから、帰りたいわ。ねえ、帰らして!」
 ルミちゃんがそういいますと、おじいさんはやさしく笑って、
「ハハハハ……。なにをいいだすんだね。これからおもしろいものを見るんじゃないか。さあ、そんなことをいわないで、こちらへいらっしゃい。」
 そういって、かたくルミちゃんの手をにぎったまま、うす暗い廊下を、ぐんぐんとはいっていくのです。夕がたですから、家の中は、もううす暗くなっています。廊下のドアをひらいて、部屋にはいりました。部屋はまっ暗です。あとでわかったのですが、その部屋の窓には、ぜんぶ、あつい黒ビロードのカーテンがしめてあったのです。
「待ちなさい。いま、ろうそくをつけるからね。」
 おじいさんはそういって、マッチを出して、机の上のろうそくに火をつけました。古めかしいしょく台に、三本のろうそくが立っているのです。その赤ちゃけた光が、部屋の中をぼんやりと照らしました。
 ルミちゃんは、かすかな光で、部屋の中を一目見ると、「あっ。」といったまま、立ちすくんでしまいました。かなり広い部屋でしたが、その四方の壁ぎわに、洋服を着た人間や、和服を着た人間や、はだかのままの人間が、ウジャウジャと立っていたからです。
 この家には、こんなにたくさん人が住んでいるのかしらと、びっくりしましたが、よく考えてみると、それはみんな人形なのでしょう。あっちをむいたり、こっちをむいたりして、ただ、じっと、つっ立っているばかりで、すこしも動きません。でも、なんてよくできた人形でしょう。みんな、生きた人間とそっくりではありませんか。
 たくさんの人形が、しいんとしずまりかえって、身うごきもせずつっ立っているありさまは、じつに気味のわるいものです。見ていると、ゾーッとこわくなってきます。
「ああ、ルミちゃんは、ふり袖のおねえさまが見たいのだったね。いま、呼んであげるよ。」
 おじいさんはそういって、机の横についている、たくさんのおしボタンの一つを、グッとおしました。
 すると、部屋のむこうのすみのドアが、スーッと音もなくひらいて、そこから、目もさめるような美しいものが、あらわれました。十七―八のきれいな女の人です。髪は島田(しまだ)にゆって、長いたもとのゆうぜんの着物を着て、ピカピカ光るきんらんの帯をしめて、しずかに、こちらへ歩いてくるのです。
 ルミちゃんは、こんな美しい顔を、いままで一度も見たことがありません。ただもう、ぽかんと口をあけて、見とれているばかりです。
 そのきれいなおじょうさんは、すり足のような、みょうな歩きかたで、だんだんこちらへ近づいてきました。近づくにしたがって、その顔はいよいよ美しく、着物や帯はかがやくばかりにあでやかです。
「あら、お客さまね。まあ、かわいいわね。どこのかた?」
 人形の小さい口がひらいて、白い歯が見えました。まつげの長い黒い目が、ぱちぱちとまたたきました。
「これはルミちゃんだよ。おまえに会いたいというので、つれてきたんだよ。」
 おじいさんが答えました。
「まあ、ルミちゃんっていうの。仲よしになりましょうね。」
 玉をころがすような美しい声です。ああ、これがほんとうに人形でしょうか。この美しい声が、おじいさんの腹話術なのでしょうか。ルミちゃんには、とてもそうは思えませんでした。
「ハハハ、……びっくりしているね。どうだ、わしが、たんせいをこめてつくりあげた人形だよ。ルミちゃんは、この美しいおねえさまと、いつまでも遊んでいたいとは思わないかね。いや、それよりは、ルミちゃんもこんな人形になりたいとは思わないかね。ウフフフ……、わしは、生きた人間を人形にすることもできるのだよ……。」
 それを聞くと、ルミちゃんは、ぞっとして、顔から、サーッと血がひいていくような気がしました。そして、からだがぶるぶるふるえてきました。

轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

热门TAG: