日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 夏目漱石 » 正文

薤露行:四 罪(2)

时间: 2021-01-21    进入日语论坛
核心提示: 夫に二心(ふたごころ)なきを神の道との教(おしえ)は古るし。神の道に従うの心易きも知らずといわじ。心易きを自ら捨てて、捨て
(单词翻译:双击或拖选)

 夫に二心(ふたごころ)なきを神の道との(おしえ)は古るし。神の道に従うの心易きも知らずといわじ。心易きを自ら捨てて、捨てたる後の苦しみを(うれ)しと見しも君がためなり。春風(しゅんぷう)に心なく、花(おのずか)ら開く。花に罪ありとは(くだ)れる世の言の葉に過ぎず。恋を写す鏡の(あきらか)なるは鏡の徳なり。かく観ずる(うち)に、人にも世にも振り()てられたる時の慰藉(いしゃ)はあるべし。かく観ぜんと思い詰めたる今頃を、わが乗れる足台は(くつが)えされて、(くびす)(ささ)うるに一塵(いちじん)だになし。引き付けられたる鉄と磁石の、自然に引き付けられたれば(とが)も恐れず、世を(はばか)りの(せき)一重(ひとえ)あなたへ越せば、生涯の()(つき)はあるべしと念じたるに、引き寄せたる磁石は火打石と化して、吸われし鉄は無限の空裏を冥府(よみ)()つる。わが()わる床几の底抜けて、わが乗る壇の床(くず)れて、わが踏む大地の(こく)裂けて、己れを支うる者は悉く消えたるに等し。ギニヴィアは組める手を胸の前に合せたるまま、右左より骨も(くだ)けよと()す。片手に余る力を、片手に抜いて、苦しき胸の(もだえ)を人知れぬ(かた)()らさんとするなり。
「なに事ぞ」とアーサーは聞く。
「なに事とも知らず」と答えたるは、アーサーを欺けるにもあらず、また(おのれ)()いたるにもあらず。知らざるを知らずといえるのみ。まことはわが口にせる言葉すら知らぬ間に(のど)(まろ)()でたり。
 ひく(なみ)の返す時は、引く折の気色を忘れて、逆しまに岸を()(いきおい)の、前よりは(すさま)じきを、浪(みずか)らさえ驚くかと疑う。はからざる便りの胸を打ちて、度を失えるギニヴィアの、己れを忘るるまでわれに遠ざかれる後には、油然(ゆうぜん)として常よりも切なきわれに(かえ)る。何事も解せぬ風情(ふぜい)に、驚ろきの(まゆ)をわが額の上にあつめたるアーサーを、わが夫と悟れる時のギニヴィアの眼には、アーサーは(しば)らく前のアーサーにあらず。
 人を(きずつ)けたるわが罪を悔ゆるとき、傷負える人の傷ありと心付かぬ時ほど(くい)(はなはだ)しきはあらず。聖徒に向って(むち)を加えたる非の恐しきは、(むちう)てるものの身に()ね返る罰なきに、(みずか)らとその非を悔いたればなり。われを疑うアーサーの前に恥ずる心は、疑わぬアーサーの前に、わが罪を心のうちに鳴らすが如く痛からず。ギニヴィアは悚然(しょうぜん)として骨に徹する寒さを知る。
「人の身の上はわが上とこそ思え。人恋わぬ昔は知らず、(とつ)ぎてより幾夜か経たる。赤き袖の主のランスロットを思う事は、御身(おんみ)のわれを思う如くなるべし。贈り物あらば、われも十日を、二十日(はつか)を、帰るを、忘るべきに、(のの)しるは(いや)し」とアーサーは王妃の(かた)を見て不審の顔付である。
「美しき少女!」とギニヴィアは三たびエレーンの名を繰り返す。このたびは鋭どき声にあらず。去りとては(あわれ)を寄せたりとも見えず。
 アーサーは椅子に倚る身を半ば(めぐ)らしていう。「御身とわれと始めて逢える昔を知るか。(じょう)に余る石の十字を深く地に(うず)めたるに、(つた)()いかかる春の頃なり。(みち)に迷いて御堂(みどう)にしばし(いこ)わんと入れば、銀に(ちり)ばむ祭壇の前に、空色の(きぬ)を肩より流して、黄金(こがね)の髪に雲を起せるは()ぞ」
 女はふるえる声にて「ああ」とのみいう。(ゆか)しからぬにもあらぬ昔の、今は忘るるをのみ心易しと念じたる矢先に、忽然(こつぜん)と容赦もなく描き出されたるを堪えがたく思う。

轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

热门TAG: