日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 夏目漱石 » 正文

草枕 十(3)

时间: 2021-02-22    进入日语论坛
核心提示: がさりがさりと足音がする。胸裏(きょうり)の図案は三分(ぶ)二で崩(くず)れた。見ると、筒袖(つつそで)を着た男が、背(せ)へ薪
(单词翻译:双击或拖选)

 がさりがさりと足音がする。胸裏(きょうり)の図案は三()二で(くず)れた。見ると、筒袖(つつそで)を着た男が、()(まき)()せて、熊笹(くまざさ)のなかを観海寺の方へわたってくる。隣りの山からおりて来たのだろう。
「よい御天気で」と手拭(てぬぐい)をとって挨拶(あいさつ)する。腰を(かが)める途端(とたん)に、三尺帯に(おと)した(なた)()がぴかりと光った。四十恰好(がっこう)(たくま)しい男である。どこかで見たようだ。男は旧知のように馴々(なれなれ)しい。
旦那(だんな)も画を御描(おか)きなさるか」余の絵の具箱は()けてあった。
「ああ。この池でも()こうと思って来て見たが、(さみ)しい所だね。誰も通らない」
「はあい。まことに山の中で……旦那あ、(とうげ)御降(おふ)られなさって、さぞ御困りでござんしたろ」
「え? うん御前(おまえ)はあの時の馬子(まご)さんだね」
「はあい。こうやって(たきぎ)を切っては城下(じょうか)へ持って出ます」と源兵衛は荷を(おろ)して、その上へ腰をかける。煙草入(たばこいれ)を出す。古いものだ。紙だか(かわ)だか分らない。余は寸燐(マッチ)()してやる。
「あんな所を毎日越すなあ大変だね」
「なあに、馴れていますから――それに毎日は越しません。三日(みっか)に一(ぺん)、ことによると四日目(よっかめ)くらいになります」
「四日に一(ぺん)でも御免だ」
「アハハハハ。馬が不憫(ふびん)ですから四日目くらいにして置きます」
「そりゃあ、どうも。自分より馬の方が大事なんだね。ハハハハ」
「それほどでもないんで……」
「時にこの池はよほど古いもんだね。全体いつ頃からあるんだい」
「昔からありますよ」
「昔から? どのくらい昔から?」
「なんでもよっぽど古い昔から」
「よっぽど古い昔しからか。なるほど」
「なんでも昔し、志保田(しほだ)の嬢様が、身を投げた時分からありますよ」
「志保田って、あの温泉場(ゆば)のかい」
「はあい」
「御嬢さんが身を投げたって、現に達者でいるじゃないか」
「いんにえ。あの嬢さまじゃない。ずっと昔の嬢様が」
「ずっと昔の嬢様。いつ頃かね、それは」
「なんでも、よほど昔しの嬢様で……」
「その昔の嬢様が、どうしてまた身を投げたんだい」
「その嬢様は、やはり今の嬢様のように美しい嬢様であったそうながな、旦那様」
「うん」
「すると、ある日、一人(ひとり)梵論字(ぼろんじ)が来て……」
「梵論字と云うと虚無僧(こもそう)の事かい」
「はあい。あの尺八を吹く梵論字の事でござんす。その梵論字が志保田の庄屋(しょうや)逗留(とうりゅう)しているうちに、その美くしい嬢様が、その梵論字を見染(みそ)めて――因果(いんが)と申しますか、どうしてもいっしょになりたいと云うて、泣きました」
「泣きました。ふうん」
「ところが庄屋どのが、聞き入れません。梵論字は(むこ)にはならんと云うて。とうとう追い出しました」
「その虚無僧(こもそう)[#ルビの「こもそう」は底本では「こむそう」]をかい」
「はあい。そこで嬢様が、梵論字のあとを追うてここまで来て、――あの向うに見える松の所から、身を投げて、――とうとう、えらい騒ぎになりました。その時何でも一枚の鏡を持っていたとか申し伝えておりますよ。それでこの池を今でも鏡が池と申しまする」
「へええ。じゃ、もう身を投げたものがあるんだね」
「まことに()しからん事でござんす」
「何代くらい前の事かい。それは」
「なんでもよっぽど昔の事でござんすそうな。それから――これはここ限りの話だが、旦那さん」
「何だい」
「あの志保田の家には、代々(だいだい)気狂(きちがい)が出来ます」
「へええ」
「全く(たた)りでござんす。今の嬢様も、近頃は少し変だ云うて、皆が(はや)します」
「ハハハハそんな事はなかろう」
「ござんせんかな。しかしあの御袋様(おふくろさま)がやはり少し変でな」
「うちにいるのかい」


轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

热门TAG: