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虞美人草 五 (6)

时间: 2021-03-29    进入日语论坛
核心提示: 岸は二三度うねりを打って、音なき水を、停(とど)まる暇なきに、前へ前へと送る。重(かさ)なる水の蹙(しじま)って行く、頭(こ
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 岸は二三度うねりを打って、音なき水を、(とど)まる暇なきに、前へ前へと送る。(かさ)なる水の(しじま)って行く、(こうべ)の上には、山城(やましろ)屏風(びょうぶ)と囲う春の山が(そび)えている。(せま)りたる水はやむなく山と山の間に入る。帽に照る日の、たちまちに影を失うかと思えば舟は早くも山峡(さんきょう)に入る。保津の瀬はこれからである。
「いよいよ来たぜ」と宗近君は船頭の(たい)()かして岩と岩の(せま)る間を半丁の(むこう)に見る。水はごうと鳴る。
「なるほど」と甲野さんが、(ふなばた)から首を出した時、船ははや瀬の中に(すべ)り込んだ。右側の二人はすわと波を切る手を(ゆる)める。(かい)は流れて舷に着く。(へさき)に立つは竿(さお)(よこた)えたままである。(かた)むいて矢のごとく下る船は、どどどと(きざ)み足に、船底に据えた尻に響く。()われるなと気がついた時は、もう走る瀬を抜けだしていた。
「あれだ」と宗近君が(ゆびさ)(うし)ろを見ると、白い(あわ)が一町ばかり、()か落しに()み合って、谷を()(かす)かな日影を万顆(ばんか)(たま)我勝(われがち)に奪い合っている。
(さか)んなものだ」と宗近君は大いに御意(ぎょい)に入った。
「夢窓国師とどっちがいい」
「夢窓国師よりこっちの方がえらいようだ」
 船頭は至極(しごく)冷淡である。松を抱く(いわ)の、落ちんとして、落ちざるを、苦にせぬように、櫂を動かし来り、(さお)(あやつ)り去る。通る瀬はさまざまに(めぐ)る。廻るごとに新たなる山は当面に(おど)り出す。石山、松山、雑木山(ぞうきやま)と数うる(いとま)行客(こうかく)に許さざる()き流れは、船を()ってまた奔湍(ほんたん)に躍り込む。
 大きな丸い岩である。(こけ)を畳む(わずら)わしさを避けて、(むらさき)裸身(はだかみ)に、()ちつけて散る水沫(しぶき)を、春寒く腰から浴びて、緑り(くず)るる真中に、舟こそ来れと待つ。舟は()(たて)も物かは。一図(いちず)にこの大岩を目懸けて突きかかる。渦捲(うずま)いて去る水の、岩に裂かれたる向うは見えず。(けず)られて坂と落つる川底の深さは幾段か、乗る人のこなたよりは不可思議の波の行末(ゆくえ)である。岩に突き当って砕けるか、()き込まれて、見えぬ彼方(かなた)にどっと落ちて行くか、――舟はただまともに進む。
「当るぜ」と宗近君が腰を浮かした時、紫の大岩は、はやくも船頭の黒い頭を圧して突っ立った。船頭は「うん」と舳に気合を入れた。舟は砕けるほどの勢いに、波を()む岩の太腹に(もぐ)り込む。横たえた竿は取り直されて、肩より高く両の手が()がると共に舟はぐうと廻った。この獣奴(けだものめ)と突き離す竿の先から、岩の(すそ)を尺も余さず斜めに滑って、舟は向うへ落ち出した。
「どうしても夢窓国師より上等だ」と宗近君は落ちながら云う。

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