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虞美人草 十四 (18)

时间: 2021-04-20    进入日语论坛
核心提示:「そりゃ馬鹿気(ばかげ)ている。一人で六十円使うのはもったいない。家を持っても楽に暮せる」 小野さんはまた返事のしようがな
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「そりゃ馬鹿気(ばかげ)ている。一人で六十円使うのはもったいない。家を持っても楽に暮せる」
 小野さんはまた返事のしようがなかった。
 東京は物価(もの)が高いと云いながら、東京と京都の区別を知らない。鳴海絞(なるみしぼり)兵児帯(へこおび)を締めて芋粥(いもがい)に寒さを(しの)いだ時代と、大学を卒業して相当の尊敬を衣帽(いぼう)の末に払わねばならぬ今の境遇とを比較する事を知らない。書物は学者に取って命から二代目である。按摩(あんま)の杖と同じく、無くっては世渡りが出来ぬほどに大切な道具である。その書物は机の上()いてでも出る事か、中には人の驚くような奮発をして集めている。先生はそんな費用が、どれくらいかかるかまるで一切空(いっさいくう)である。したがって、おいそれと簡単な返事が出来ない。
 小野さんは何を思ったか、左手を畳へつかえると、右を(のば)して洋灯(ランプ)(しん)をぱっと出した。六畳の小地球が急に東の方へ廻転したように、一度は明るくなる。先生の世界観が(またたき)と共に変るように明るくなる。小野さんはまだ螺旋(ねじ)から手を放さない。
「もう好い。そのくらいで好い。あんまり出すと危ない」と先生が云う。
 小野さんは手を放した。手を引くときに、自分でカフスの奥を腕まで(のぞ)いて見る。やがて背広(せびろ)表隠袋(おもてかくし)から、真白な手巾(ハンケチ)(つま)み出して丁寧に指頭(ゆびさき)の油を拭き取った。
「少し()が曲っているから……」と小野さんは拭き取った指頭を鼻の先へ持って来てふんふんと二三度()いだ。
「あの婆さんが切るといつでも曲る」と先生は(また)の開いた灯を見ながら云う。
「時にあの婆さんはどうです、御間に合いますか」
「そう、まだ礼も云わなかったね。だんだん御手数(おてすう)を掛けて……」
「いいえ。実は年を取ってるから働らけるかと思ったんですが」
「まあ、あれで結構だ。だんだん()れてくる様子だから」
「そうですか、そりゃ好い按排(あんばい)でした。実はどうかと思って心配していたんですが。その代り人間はたしかだそうです。浅井が受合って行ったんですから」
「そうかい。時に浅井と云えば、どうしたい。まだ帰らないかい」
「もう帰る時分ですが。ことに()ると今日くらいの汽車で帰って来るかも知れません」
一昨(おととい)かの手紙には、二三日中に帰るとあったよ」
「はあ、そうでしたか」と云ったぎり、小野さんは()じ上げた五分心(ごぶじん)の頭を無心に(なが)めている。浅井の帰京と五分心の関係を見極(みきわ)めんと思索するごとくに眸子(ぼうし)は一点に集った。

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