1月1日のこと。正月三が日を元三日(がんさんにち)とよぶが、その初日をさす。元日の朝のことを、とくに元旦(がんたん)、歳朝(さいちょう)、大旦(おおあした)などとよぶ。年の始まりの縁起を担いで特別なよび方をする。元正(げんしょう)天皇の霊亀(れいき)2年(716)以来、宮中では文武百官を招き元日節会(がんにちのせちえ)が行われたが、1872年(明治5)より晴御膳(はれごぜん)の儀だけを残し、招待宴を「新年宴会」の名のもとに1月5日に変えた。一般人にとっても歳神(としがみ)が来臨するのが正月だから、家々には元日をいろいろ儀礼化して演出する習俗がある。現在でも初詣(はつもう)でをしたり、晴れ着で屠蘇(とそ)や雑煮で祝うが、昔は元日のかまどの火のたきつけが、だいじな行事であった。ただし忌中の者は元日を祝わない。
元日