塩、糠(ぬか)、酒粕(さけかす)、しょうゆ、酢、みそなどの副材料を用いて、野菜、果実などの植物性食品、あるいは魚貝、肉、卵などの動物性食品を発酵させるか、味をなじませたものである。微生物による発酵を利用するものと、しないものがある。漬物の多くには塩が用いられる。粕漬け、みそ漬け、酢漬けなどは、いったん塩で下漬けしてから本漬けにすることが多い。
漬物は世界各地にあるが、地域により、材料や気候風土の差異から特有のものが生まれている。日本は、野菜など植物性のものが主で、しかも、塩漬け発酵の漬物が主体となっているといってもよい。これは、日本の漬物が米飯によくあうのと、冬季の保存性などの点から普及したものであろう。なお、古代のすし(なれずし)である鰒鮓(あわびずし)、鮎(あゆ)鮓、猪(い)鮓、鹿(しか)鮓、あるいは魚醤(うおびしお)(塩辛)なども、魚肉、獣肉の漬物と考えてよい。